「ビギナーズ有機化学」 正誤・補足表

2006.6.14現在


以下は、第8刷(2006.3.1)で修正あるいは補足済み。

第12章
p136
3行目、「求電子攻撃」は、求核攻撃の誤りです。お詫びして訂正いたします。


以下は、第6刷(2004.3.1)で修正あるいは補足済み。

第3章
p42
6行目、「九種類ある異性体」は、十八種類の誤りです。お詫びして訂正いたします。

第5章
p64
図の酒石酸のD体とL体が逆になっています。正しくは(S,S)-体がD体、(R,R)-体がL体です。お詫びして訂正いたします。(一部修正未了、すみません)

第8章
p94
右上の反応ダイヤグラム図の生成物中、HClHBrの誤りです。お詫びして訂正いたします。

第9章
p101
アルキンへの付加反応の項の中で、2個目の塩化水素分子の付加のときに、「水素イオンが付加するときに二級カルボカチオンが優先して生成する」という記述になっています。塩素などのヘテロ原子が置換している場合に炭素の級数で区別するのは不適当な表現で、この場合、「マルコフニコフ則に従って水素の多い側の炭素に水素イオンが付加する」、という記述の方が適切でした。

第11章
p120-122
この部分で、SN2反応とSN1反応を対比させて説明するために、SN1反応での求核剤を水酸化物イオン(OH-)としてありますが、実際には水酸化物イオンのような強い求核剤の存在下では三級ハロアルカンは主としてE2脱離反応を起こしてしまいます。したがって、SN1反応でアルコールを得るためには弱い求核剤である水(H2O)の関与が必要となります。この場合、全体の反応では水の酸素のローンペアのカルボカチオンへの攻撃によるオキソニウムイオン(R-O+H2)の生成と続く水素イオンの脱離によって、アルコールが生成します。




以下は、第3刷(2002.3.1)で修正あるいは補足済み。

第11章
p125
補足:溶媒の違いによる鏡像体生成比の違いは、SN2反応とSN1反応の共存という考え方と、完全にどちらかの機構に変化するという考え方があります。たとえば、鏡像体比60:40の生成物を与える場合でもすべてがSN1で進行しているという解釈が可能です(完全なラセミ体にならないのは、ハロゲン化物アニオンが脱離した直後にはその面を大きなアニオンがふさいでいるため、同じ側からの求核攻撃が立体障害で起きにくいと考える)。

第12章
p132
アルデヒドやケトンに水が付加した形の水和生成物は「アセタール」ではなく「ヒドラート(水和物)」といいます。「アセタール」はp133にあるアルコールの付加物に対する名称です。お詫びして訂正いたします。



以下は、第2刷(2001.7.10)で修正済み。

第8章
p93
図上段、塩素化反応および臭素化反応の生成物の右側(赤色)構造




第9章
p108
練習問題9.8プロピンの構造式、(誤)CH3CH≡CH → (正)CH3C≡CH