第7期 2017年5月31日(水)~6月6日(火)
伊予和気駅~第54番延命寺~第70番本山寺~高瀬駅 210.9 km (累計 1051.8 km)
0.出発まで
1.2017年5月31日(水)札幌=神戸=松山
2.2017年6月1日(木)松山=伊予和気駅~54番延命寺~55番南光坊~今治
3.2017年6月2日(金)今治~57番栄福寺~62番宝寿寺~伊予小松駅=西条
4.2017年6月3日(土)西条=伊予小松駅~60番横峰寺~64番前神寺~中萩駅=西条
5.2017年6月4日(日)西条=中萩駅~65番三角寺~四国中央下柏
6.2017年6月5日(月)四国中央下柏~66番雲辺寺~69番観音寺~観音寺
7.2017年6月6日(火)観音寺~70番本山寺~高瀬駅=丸亀=神戸=札幌
0.出発まで
前回は53番近くの伊予和気駅で終わっているので今回はその続き。長かった高知が過ぎ、久万高原を越えて瀬戸内側にまわるともうそれほど難所はないが、札所間隔が狭くなってお参りに時間がかかる。距離では3/4が過ぎたのに札所はあと35ヶ寺もある。
夏は出入りを含めて1週間で回るとして実歩行は5日半というところ。次回最終回の香川県内は距離は短いが88番を打った後に1番までお礼参りにもどると1日よけいにかかるので、意外と時間が取られる。となるとできれば善通寺、最低でも観音寺までは打っておく必要がある。この間は難所はないとはいっても60番、66番と二つの山があるのですんなりとはいかない。
初日に今治まで、2日目は60番の登り口まで、3日目に山を越えて西条あたり、4日目が66番のふもとまで、5日目に山を越えて観音寺、というのが順当なところだが、66番前後は宿の少ないところで前日伊予三島市内に泊まると翌日65番を打ってから長駆66番を越えて67番を打って観音寺までは遠い。元気なら行けそうだけど5日目なのでどうなっているかわからないし、少し余裕を持たせておきたい。66番上り口の民宿岡田に泊まれば余裕があるが、前日に西条から65番を打ってそこまでたどり着くのは不可能だ。さりとて西条の先、新居浜あたりは宿が少ないしそもそも今度は60番を越えてそこまでが遠すぎる。というわけで4日目は伊予三島のもっとも66番よりのスーパーホテル四国中央が唯一の選択肢となる。大浴場があるのもポイントだ。その前日は西条泊まり。とすればここに連泊して60番は軽装で歩くのがいいだろう。60番のふもとにはしこくやというおあつらえ向きの温泉宿があるのだが、山登りだし連泊の身軽さの魅力はそれを凌駕してあまりある。評判の高いビジネス小松旅館に連泊して60番往復というのが定番の経路なのだが、小松~西条は微妙な距離で間に63, 64番と札所もあるので、小松連泊では翌日のスーパーホテルまでが遠すぎるのだ。
ということで、初日に神戸経由でバスで松山にはいって1泊し、翌朝始発で伊予和気からスタート、54, 55番を打って今治市内泊、翌日は56-59番のあと60番を飛ばして61, 62番を打ち伊予小松からJRで伊予西条泊。翌日始発で伊予小松にもどって60番に登り、63, 64番を打って西条にもどる。翌日はえんえんと四国中央まで街道歩き。そして翌日65, 66番越えて67番も打って観音寺泊まり。最終日はさすがに善通寺は無理なので70番まで打って三豊市高瀬あたりまで歩く。高瀬からJRで岡山経由神戸へもどるか、バスなら観音寺EXPが三豊市にも停まるが時間が合わない。丸亀神戸線というのもあって、それなら乗れそうな便がある。ということで大枠が決まる。結局宿は全部市街地なのでビジネスホテルばかりとなった。すべて楽天から予約可だから楽だ。
1.2017年5月31日(水) 札幌=神戸=松山
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
千歳,850,ADO118,1050,神戸
神戸空港,1147,ポートライナー,1205,三宮
三宮ターミナル,1244,松山EXP,1719,松山駅
札幌=神戸=松山駅
朝6時起床。6:50出発。7:50着。空港は空いている。荷物3点を預ける。杖はケースに入れますかときかれたがそのままにしてもらう。8:25搭乗。空いている。70%くらい。10:50着。すぐ降機。11:00には荷物が出てくる。預けている人は5人くらいしかいない。時間があるので3階にあがって左側のたこぼんで昼食とする。神戸キッチン以外はいったことなかったがこれはこれでなかなかいい。窓際がずらりと2人席で空いているし。食べてその横のフリースペースで休憩。edyのオートチャージが効いてなくて残額がずいぶん減っている。あれれと思って設定の見直し。単にオートチャージのタイムラグで別に設定の問題ではなかったが、気づかずクレジット情報の入れ直しをする。そこでクレカをとりだしてびっくり端が曲がってひびが入っている。どこで曲がったのだろう。途中で使うことはないだろうが帰りのチェックインは大丈夫かな。それ以上割れないように他のカードの間にはさんで輪ゴムで止めておく。のんびりとポートライナー乗り場へ。11:47発。フライト到着時でないのでガラガラ。ミントもいつもより空いている。ソファの端で寝ている人もいつもの光景。30分くらい待つ。大阪からのバスは定時にきた。乗車5人くらい。室津PA13:32-14:32、吉野川PA15:19-15:30と休憩。途中新居浜あたりの山中で暗くなりパラパラと雨が落ちていたが、着いた松山は晴れていた。松山インター、大街道各1名下車、残りは松山駅。17:19着。勝手知ったる駅のセブンで食料の買いだし。くじを引けというので引いたら韓国海苔があたった。ありがたく夕食に食べる。あとは前回泊まったターミナルホテルへ。相変わらず電車の音などがうるさい。
2.2017年6月1日(木) 松山=伊予和気駅~54番延命寺~55番南光坊~今治
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
松山,559,124M,607,伊予和気
伊予和気駅,610,,828,北条(11.7 km, 2:18),0:11
北条,839,,1007,菊間田之尾(7.2 km, 1:28),0:14
菊間田之尾,1021,,1230,大西星浦(11.3 km, 2:09),0:20
大西星浦,1250,,1404,54番延命寺(6.2 km, 1:14),0:27
54番,1431,,1507,56番泰山寺(3.5 km, 0:36),0:18
56番,1525,,1557,今治駅(2.9 km, 0:32),0:05
今治駅,1602,,1608,55番南光坊(0.6 km, 0:06),0:17
55番,1625,,1637,今治駅(0.8 km, 0:12)
松山=伊予和気駅~北条
5時にアラームをかけてたが、電車の音や隣室の話し声がうるさく寝つきが悪い。朝も4時から何話してるのか。4:45に起きてしまう。朝は昨夜買ったパン。トイレはなし。松山駅へ。跨線橋を渡ったホームの多度津行き7000系3連。空いている。伊予和気駅降車1名。女性車掌が集札。駅前には相変わらずタクシーが一台。歩き始めて円明寺門前へ。まだ7時前だがもう参拝客がいる。早起きの地元の人か。門前で一礼して歩き出す。堀江までは町がつながっている。開けた大きな交差点のファミマを過ぎて少しいったところで便意が。この先にもファミマがあるがどうするか。一瞬迷って大した距離ではないのでもどることに。残念ながらシャワートイレではなかったがスッキリしてオロナミンC飲んで再出発。堀江は仁堀航路があったころ来たことがある。昔のフェリー乗り場はうみてらすという施設になっているらしい。
多度津行き始発電車
相変わらぬ伊予和気駅
朝の円明寺門前
ファミマでトイレを借りる
平日なので自転車の高校生がどんどん来る。挨拶に返事する子しない子。年輩者は挨拶返してくれるが、おはようございます↑とすが上がるイントネーションは関西風だろうか。町はずれになって海沿いの崖っぷちのようなところにでる。岬の鼻をまわる。海鮮北斗というりっぱなレストランは昔愛大の知り合いに連れて行ってもらったところだ。いつの話だか。こんなところだったのか。今治までの海岸沿いはほぼ国道196号線をゆく。幹線道路の狭い歩道の町中歩きは歩きにくい。相変わらず自転車は来るし。光洋台から旧北条市街になって町中歩き。腹が減ってきた。そのうえ第二弾がやってきた。北条駅前角のセブンイレブンにはいってトイレ。ここはシャワートイレだった。ついでにアンパン4個入り100円とカフェオレを買う。セブンにもこういうのあるのか。ローソンなら同じ100円で5個なのにな。イートインスペースがふさがっていたので、道をそれて北条駅に寄って食べることにする。小さな駅だが窓口はちゃんとある。両方向とも電車は行ったばかりなのに待合のベンチはほぼ埋まっている。なんで?隅に腰かけさせてもらってパンを食べる。と、座っていた人が立ちあがって外へ出てゆく。電車待ってるのではなくヒマつぶしてるのか。
堀江の海
すぐ横をアンパンマン列車1091M
伊予北条駅
北条~菊間田之尾
元の街道にもどらずに駅横の跨線橋を渡って駅裏に出て短絡することにする。大分日が上ってきたのでここから笠をかぶる。ここからは海岸沿いの岬をまわる国道を離れて小さな山越えのルートとなる。登り口にある鎌大師は立派なお堂だった。そこから細い舗装道路の峠越え。行く手に浅海の海岸が広がりきれい。急坂を下りて浅海市街地を過ぎるとまた海岸へ出てずっと海沿いとなる。今治市にはいる。疲れてきたが休むのに適当なところがない。ベンチはおろかバス停にイスもない。護岸上の歩道から下の海へ下りる急な階段がありそこに腰を下ろして休むかなと思いつつ進む。
菊間の手前の松ヶ崎トンネル手前で落葉マークの軽がスーッと止まる。助手席の窓をあけておやじが声をかける。え、と止まると、冷えた缶コーヒーのお接待。これはうれしい。ありがとうございます。お気をつけてとクラクション一発去って行った。久しぶりのお接待だったので感激した。歩道はトンネルにはいらずに海辺を回り込み、そこにまた降りる階段があったのでこんどこそ腰を下ろしてありがたくカフェオレをいただく。手すりもない狭い急階段でちょっとこわい。一望に広がる大海原。沖行く大型船。晴れて暑いけど日差しは高知ほどではない。日が出るとじりじり暑いが日がかげると思いのほか風は涼しい。乾燥しているせいか。北海道の夏のようだ。
岬を回って今治市域へ
お接待のカフェオレ
斎灘を行く船
菊間田之尾~大西星浦
菊間町にはいると道路沿いは○○製瓦という小さな瓦工場が連なっていて壮観。菊間瓦は有名なんだそうだ。それにしてもほとんどは個人経営の町工場ばかりでよくやっていけるものだ。遍照院という立派なお寺がある。さっきの鎌大師もそうだがこのあたりの番外寺院は堂々として立派だ。旧街道で町を抜けるあたりはここまであまり見なかったへんろシールがある。前方に大きな太陽石油精油所が威容を表してくる。すごい迫力。すぐ脇を通ると複雑なパイプラインや煙や炎を吐く煙突群などカッコよくて見とれてしまう。菊間を過ぎると亀岡の旧道を抜けてやっと大西にはいる。また腹減ってきたけれど何もない。海岸にあった星が浦公園で大休止。靴を脱いで休み、パンを食べる。ここは大きな公園でベンチもたくさんある。昼時になったけれどほとんど人はいなくて静か。足はいまのところ大丈夫そうだが、左靴裏のシューグーがもはやはがれかけてきたので取ってしまう。まだ先は長いのに摩耗した底はもつだろうかちょっと不安。トイレに寄って出発。
大西星浦~54番延命寺
大西の町を抜けて海岸を離れ、乃万小の信号のところで歩きおやじに追いつく。笠も杖ももってないけどサンヤ袋下げて地図見ながら歩いているから遍路と知れる。45番あたりの山で足を痛めた、今朝は北条からきた。少し話して先へ行く。ほどなく54番への細道へ左折。山門が二つあり境内へ。すぐにおやじも追いつく。このおやじ灯明も線香もあげず経も読まない。変な遍路だ。正面に立派な本堂、左手の長い階段の先に大師堂。久々に納経。なんか邪念がはいり没頭できない。終わって入口横の納経所へ。建物の手前側は売店になっている。掃除に外へ出かかったおばちゃんがお参りはすませましたかときくので終わりましたというと、もどってきて筆を執ってくれる。暑かったでしょうと愛想いい。
ここまで順調にきて14時過ぎだ。さてどうするか。コーラがなかったので自販のデカビタを飲んで考える。まっすぐ今治の55番へ向かってもいいのだが、それより近い56番を今日打ってしまったらあすが楽だ。56番までは3キロちょっとだしなとそうすることにする。足は大丈夫だし。
54番延命寺~56番泰山寺
しかし朝の3キロと午後の3キロは大違い。ここからが長かった。街道へもどってイオンの先を右折、そこからも遠い。やっとのことで56番到着。先発したおやじが出るところだった。手順を踏まないからそら早いわ。別の若い歩き遍路ともすれ違い。あとは人がいない。山門なしの階段をあがって正面に本堂、右手向かい側に大師堂、本堂横に納経所とコンパクトでわかりやすい。たしかに納経所には白い犬がいた。愛想ないじいさんがサラサラと記帳。
56番泰山寺~55番南光坊
来た道をずっと直進すると今治駅へ突き当たる。ここも3キロくらいだが遠い遠い。今治西高はじめ学校がたくさんある。高校生とすれ違ってやっと駅へ。しまなみを走ったとき以来だ。高架下のコンコースを抜けて駅前へ。正面にステーションホテル。まずはチェックイン。すぐに杖とサブザックに納経帳入れてそれだけもって外へ。体が軽い。55番まではすぐ。横手からはいる。町中でけっこう立派だ。左手に本堂山門側に大師堂。それ以外にもお堂がいろいろある。夕方でほとんど人はいない。本堂横の納経所では孫?を連れたじいさんがさらさらと記帳。パパパッと走り書きするところが多いが、ゆっくりした筆使いでていねいに書いてくれて好感。ここは北を向いた山門は立派だがすぐ車道に面しているので写真を撮りずらい。
55番南光坊~今治
そこから出て駅へもどる。ローソンで夕食と明日からのパンや飲料を大量に買い込む。ホテルでバスにつかってやれやれ。よくばって56番を打ったので44キロと初日にしては長丁場になったが、足は何とか大丈夫だった。慢心しないよう気をつけよう。夜は鴨だしそばと高菜とじゃこの小弁当。これが正解だった。汗かくのでしょっぱい汁物が食べたくなる。
今治ステーションホテル
夕食
3.2017年6月2日(金) 今治~57番栄福寺~62番宝寿寺~伊予小松駅=西条
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
今治,551,,651,57番栄福寺(5.3 km, 1:00),0:20
57番,711,,746,58番仙遊寺(2.8 km, 0:35),0:23
58番,809,,901,富田(3.8 km, 0:52),0:19
富田,920,,950,59番国分寺(2.7 km, 0:30),0:24
59番,1014,,1202,三芳(9.4 km, 1:48),0:16
三芳,1218,,1309,壬生川(4.2 km, 0:51), 0:07
壬生川,1316,,1426,61番香園寺(6.0 km, 1:10),0:22
61番,1448,,1504,62番宝寿寺(1.6 km, 0:16),0:15
62番,1519,,1522,伊予小松駅(0.2 km, 0:03)
小松駅前,1531,せとうちバス,1548,西条駅前
今治~57番栄福寺
セミダブルベッドは快適だがやはり寝つきは悪い。前夜とは違い静かだが隣室のイビキが聞こえる。それでも6時間くらいは寝たろうか。アラームより早く4:40に起床。夜半に激しい雷雨の音がしていたが外は晴れている。パンとお茶で朝食。5:50に出発。路面に所々水たまりが残っている。駅を抜けて317号をずっと南下。散歩のおばちゃんに声をかけられる。GSの角を左折、川を渡って右折。そこからへんろ地図では左折点が2ヶ所あってどちらでも57番へ行ける。手前と思しき道をたどってみたがわからなくなりもどって2つ目を左折しなおし。細い道をたどって角を曲がるとすぐに57番だった。正面にうっそうと暗い階段がはるか上まで続いていて、げ、これ上るのかと思ったらさにあらず、右側に入口があった。あの階段はなんなんだろう。山門はなく、境内に入ると正面に納経所そこから左に折り返して戻る方向に本堂と大師堂の配置。まだ7時前なので無人だ。ロウソクも線香もなく一番乗りは気持ち良い。朝一番は初回の地蔵寺以来だろうか。邪心なくお経を読む。お参りしているうちに7時を過ぎたので納経所へ。ベルを押すとややしばらくして中年の坊さんがにこやかに出てきて記帳。最後まで誰も来なかった。
57番栄福寺~58番仙遊寺
出て角を左折して先へ進む。やがて土道となり鬱蒼と暗い木々の中となる。左手に幽邃な犬塚池をみながら歩く。一旦車道に出て横切り二度目に車道に出たところで左折して車道を上ってゆく。左手に59番への下り道入口をみてさらに進むと大きく右にカーブした左手に山門があらわれた。山門の先は階段となって狭い参道が上へ続いている。ここからの登りは結構きつい。途中で下りてくる人3人すれ違う。たぶん58番宿坊泊まりの人だろう。昨夕56番の入口ですれ違った若者もいた。
犬塚池
仙遊寺への山道
やっとこ上りきると山中の狭い境内で、正面に本堂、左手が大師堂。本堂の前は工事中のようにコーンとパイプで囲ってはいれなくなっている。納経所は本堂の中ですと表示があるがそもそもどこからはいるのか。左手は上がれそうもないので右手に回ると入口にぴったり軽ワゴンが横付けされていて人1人やっと通れるくらいの隙間しかない。本堂の中から何やら話し声が聞こえるのは夫婦客と住職らしい。軽ワゴン横の狭いところにロウソクと線香台があり、そこで灯明を上げた後、車の横から本堂へ上ってお参り。狭いところをもどって大師堂へ参った後、納経帳をもって再度本堂へ上がって中の納経所へという手間を踏む。夫婦者は帰った後で誰もいないのでボタンを押すと、孫と爺が出てきた。これがさっき世間話していた住職のようだ。さばけた坊さんで、どちらから、札幌です、北海道の人は多いね、そうですか、うちの若い者にも札幌から来たのがいるよ、やんちゃやってたやつでね、住職札幌行ったら狸小路連れてってやるっていってるよ、ああいいですね。話し好きなのはいいが、横の車をどうにかしてほしいものだ。本堂の中でも大きな磬子が座布団の上で傾いているし、だらしない寺だな。おまけに昨夜の雨のせいでイスが濡れていて腰を下ろすこともできない。長居は無用と出ようとすると、後から上がってきた歩き遍路がうろうろ。お参りは済ませましたか、はい、どうやってお参りするんでしょう。そりゃ戸惑うわな。右手のワゴンの横からかろうじて上がれることと、そこに灯明台があることを教える。また狭く急な階段を下りて山門へ。日が高くなってきたので笠をかぶる。
仙遊寺山門
本堂
本道上り口をふさぐ車
大師堂
大師像
58番仙遊寺~富田
先ほどの分岐から山道をどんどん下る。やがて平地の車道に出てほぼ直進。196号線の大きな交差点の角にローソンがあったのでそこにはいる。腹が減ってきたのでサンドイッチとアイスコーヒーで二度目の朝食。コンビニカフェは初体験だがプラカップに氷とコーヒーを入れて出してくれた。イートインはないので外のベンチへ。はいったときにはふさがっていたのが折よく空いていたので荷物ごと移ってそこで休憩とする。と、ここいいですかとカップ麺もった歩きおやじが横にやってきた。野宿で回っている人。昨日は58番で泊まったが、宿坊の風呂にいれてもらえた、これからできれば60番に上ってどこかに泊まりたいが、足を痛めているのでどうなるか。食べ終わって杖を二本ついてゆっくり出て行った。
今治市方面遠望
伊予富田への下り道
富田~59番国分寺
少し遅れて出発、突き当たりを右折して予讃線の踏切を渡ったところで追いついてしまう。どうぞお先にと譲られる。埃舞う工事中個所を過ぎ、59番近くになって道路の反対側からこちらに渡ってきたおばさんに声かけられる。仙遊寺はどういけばいいんでしょう。ん、リュックしょってはいるが杖も笠も白衣もないのでお遍路には見えない。遍路地図はもっている。逆打ちというかハイキングなのかな。昨年はずいぶんすれ違ったけれど今回は逆打ちの人には他にひとりも出会わなかった。まっすぐ行って踏切を渡った先を左に曲がるとあとはほぼ一本道ですけど、途中一か所鉤の手に曲がるところがあって、向こうから歩いて来れば標識がありますけど、と教えたものの、ちゃんと行けただろうか。昨年のせいかたまに逆打ち用の青矢印テープをみることもあるがとても頼りにできるほどではない。へんろ道保存会のアバウトな地図だけでは大変だろう。その少し先を左折してすぐ左側に59番。山門はなく階段を上がると開けた境内で、正面に本堂右手に大師堂、左手ちょっと離れたところに納経所。荷物を置いて手水場へ。横のボタンを押すと水が流れるトイレのような自動式に感心。夫婦連れ一組だけで静か。お参りして納経所へ。ここの若い坊主が最悪だった。納経帳を開いて差し出すとパタンと閉じて横へ置く、手元が見えないように斜めに立てかけて記帳、お釣りを投げるように渡す、その間無言。なっとらん。入口近くのひとつだけ願いが叶うという握手大師と握手して外へ出る。すでに追いついてきていた野宿おやじとここでまた別れて先へ行く。
59番国分寺~三芳
ここからは60番へ向かわずに61番へ直行する。18キロの国道歩き。暑くて長い。正規のルートではないので遍路シールもない。最短経路があるのかもしれないが事前にメモしてこなかったのでわからない。細道でまごまごするよりはとわかりやすい国道沿いをずっと行く。それほど距離は違わないだろう。ほぼ平坦で歩道もあるから歩きやすいが今治から小松・西条への往還なので車が多く歩いて楽しい道ではない。じりじり日が照って暑い。湯ノ浦の道の駅があったが道路の反対側だったので通過。その後は壬生川のヤマザキまでコンビニもない。そのヤマザキにやっとたどりついて昼食とする。ハンバーガーとコーヒー牛乳。カフェオレよりもコーヒー牛乳の500パックが安くて多い。イートインスペースで食べる。小さな羽虫がいっぱいで若い女性ならギャというところだが、暑い外を思えば天国だ。
西条市にはいる
三芳~壬生川~61番香園寺
出て歩き始めるがそのうちトイレの気配。町中にはいってコンビニはぽつぽつとあるが、次のコンビニより駅が近そうだったので国道から右折して壬生川駅へ行くことにする。特急停車駅だしトイレくらいあるだろう。思いのほか小さい駅でトイレはぼっとん和式だったけどトレペはあった。排泄してすっきり。
細道を折れ曲がって元の国道へ出る。立て続けにローソンが二店あり町を外れて右にカーブして中山川橋にかかる。手前左側のMORINOKOというカフェからおばちゃんが出てきてお接待。十六茶の缶と小さな金平糖と飴の袋、それに年寄りがつくったという手作り和紙人形と油とり紙?のセット。こんなに手の込んだお接待ははじめてでびっくり。恐縮してしまってありがとうございますとしか言えない。61番が近いとはいえ遍路道からははずれているのに。昨日といい今日といい今回はお接待が続く。そういう土地柄なのだろうか。長い街道歩きの疲れも瞬時忘れる。長い中山川橋を渡って11号線を越えて旧街道を右折、その先の左側が61番。右側の駐車場に62番はこちらと書いてあってこっちかと行きかけて気づく、いやここは61番のはず。そっちにあったのは62番の仮納経所のプレハブだった。あーこれがあれか。
中山川橋から石鎚山遠望
右手に62 番仮礼拝所
プレハブの仮礼拝所
61番は直進した正面で、境内はいると大きな四角いコンクリート造りの会堂がどーん。とても寺には見えない。ホールかなんかのよう。手前に円形の灯明台がありその外周ぐるりが線香立てになっている。申し訳のように賽銭箱や納札入れもあるが、本尊は会堂の中なので外からお参りするのも変なものだ。お大師像は左手階段を上がって中にありますと表示がある。大師堂という独立したものはなくみんなひっくるめて中に安置されているのだ。ただし中は火気不可と書いてある。ではお大師様に灯明と線香を上げるのはどうすれば??とりあえず本堂分を外でお参りしてから外階段を上って二階へ行ってみる。横からスリッパに履き替えてはいると中は広い大会堂。ホールのような作り付けのイスが並ぶ。聞いてはいたが聞きしに勝るとはこのことだ。まあ88ヶ所もあればいろんな寺があるものだ。本尊の右手に大師像。声高にお経読んでいる人、イスに座って休んでいる人。とりあえず座って大師堂分のお参りを口の中でもごもごとすませる。外へ出てすぐ別棟の納経所へ。外へ向いた窓口になって内部は事務所のようなつくり。応対しているごっついおやじが62番は霊場会を脱退したので仮納経所へどうぞと案内する。貼り紙もしてある。商魂たくましいな。大きな寺なので参拝客も多い。三々五々やってくる参拝者にいろいろ指図していて、怒りだす人もいた。珍しく御影を2枚くれたけど、なんだかなあという感じ。本堂と大師堂それぞれにローソク、線香、納札、賽銭、納経というシステムでずっとやってきたのがここで崩れて気持ち悪い。出がけに駐車場の仮納経所をちらと見ると白衣着たお遍路さんがいた。正規の?62番とこことどのくらいの比率なんだろうと気になる。ぼくは予定通り62番へ行く。
香園寺拝殿
納経所と注意看板
MORINOKO のお接待
61番香園寺~62番宝寿寺
出て旧街道を少し歩いて左折して11号線に出る。車が多く渡りにくい。11号線から左折して線路の手前左側が62番。山門はなく、はいるとちょうど正面が納経所で右にじいさん左におやじが二人こちらを向いて話している。もうちょっとロケーションがどうにかならないものか。気弱な人なら気後れしそうだ。はいると右手手前に大師堂奥に本堂が並んでいる。そう荒れた様子もないし工事中のようでもないが、なんとなく裏寂れた感がある。灯明台と線香台は共通のがひとつあるきり。灯明台にガラス戸もないので今日はいいけど風のある日なら点けるのが難しそう。横から見られながら簡素な本堂と大師堂のお参りをそそくさと済ませる。入ったときは誰もいなかったが落ち着かないので誰か来ないかなと思ってたら後から夫婦連れがやってきて外で線香つけるのに苦労している。左のおやじに納経帳を出すとまあ普通に記帳して御影はどうしますと聞くのでくださいと500円を出す。多少釈然としないけれどここはシステム外なので文句を言ってもはじまらない。その後アジア系ぽい女の子がリュックしょってやってきたのでこんにちはと声をかける。まあなんというか61番も何だけどここも相当だなあ。どっちもどっちという感じ。
62番宝寿寺~伊予小松駅=西条
さて今日の予定は終了。あとは西条のホテルへ行くだけだがJRは時間が開いているので事前に調べておいたバスで行くことにする。国道へもどってすぐの小松駅前バス停へ、15:31のがあるのを確認してからそこからすぐの伊予小松駅へ。明日はここからスタートなのでここが今日の歩き終了点。無人駅に高校生が数人。バス停へとって返してバスを待つ。イスもなく日よけもないので暑い。数分遅れでやってきたせとうちバスは乗客ゼロ。こんなでは経営も楽ではないだろうな。途中の停留所から乗ってきて途中で降りたおばちゃんが一人いたきりでぼくが西条駅前で降りるとまたゼロだ。JRで3駅220円のところを430円。結構乗りでがあった。伊予西条駅はビルでそこそこ立派。なかにセブンもある。出てすぐのローソンで買い物してホテルへ。エクストールインという変な名前のチェーンホテル。ちょっと駅から離れているが立派だ。中も広々ときれいだしフロントのおっさんもていねいで親切。大浴場が17時からなのでその前に洗濯することにして、シャワーで汗を流して着替え、今日の分と昨日手洗いした分をもってランドリーへ。30分後に風呂にいくときに洗濯物を回収。乾燥機かけなくても十分。風呂はやはり極楽。すでに先客がいた。このホテル、部屋も明るく快適で連泊にして正解だった。
伊予小松駅
小松駅前バス停
伊予西条駅
エクストールイン西条
4.2017年6月3日(土)西条=伊予小松駅~60番横峰寺~64番前神寺~中萩駅=西条
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
伊予西条,538,515M,547,伊予小松
伊予小松駅,549,,702,奥ノ院分岐(6.0 km, 1:13),0:10
奥ノ院分岐,712,,805,60番横峰寺(3.8 km, 0:53),0:30
60番,835,,924, 奥ノ院分岐(3.8 km, 0:49),0:10
奥ノ院分岐,934,,1052,63番吉祥寺(6.7 km, 1:18),0:26
63番,1118,,1200,64番前神寺(3.5 km, 0:42),0:21
64番,1221,,1426,中萩駅(10.9 km, 2:05)
中萩,1446,4119M,1452,伊予西条
西条=伊予小松駅~奥ノ院分岐
アラームは朝4:30にセット、寝つきは悪くないが眠りが浅く1.5-2 時間おきに3回くらい目覚める。トータルで6時間寝たかな。4:25に起きる。今日は連泊なので最低限必要なものだけリュックに入れる。白衣、納経帳、パン、薬、タオル、軍手のみなのでめちゃ軽い。降水確率0%なのでポンチョはもたない。これなら楽だ。5:25出発。起きた時は暗かったけど明るくなった。外は涼しく動いてないと寒い。券売機で220円の切符を買い、無人の改札を抜け跨線橋を渡って3番線だったかなへ。松山行き7000系4連ガラガラ。
松山行き始発515M
乗車券
小松で降りたのは他に女子高生1人。車掌が集札。すぐに出発5:50。11号線を左手に進みローソンの角を曲がって山の方へ。広い舗装路をうねうねと上ってゆく。途中の切川観光梅園の看板。今日から開園だ。小松オアシスへの四叉路に出る。左折してすぐに常盤砕石。その手前右手のよつ葉自動車にお遍路さん休憩所と自販があり、トイレありますとある。砕石場は大規模でベルトコンベアや塔、砂利の山。後ろの山が削られて半分無くなっている。朝早いのでまだ無人。
早朝の小松の町中
採石場に上ってゆく
常盤砕石
砕石場
削られた山肌
土道にはいる
そこから沢沿いを車の通れる道を上って沢を渡る開けたところから歩き道になる。ただ四国電力の保守道が通っていて基本それをショートカットしながら上ってゆく感じ。作業道は枝分かれもあるので結構錯綜しているが、へんろ札や標識はあるので普通に行けば大丈夫。迷いそうな分岐には枝を寝かせたり石を並べたりして通行止め表示してあるところも多い。行きはいいが帰りもここを通るので下ってきて迷いそうな分岐には注意しておく。それほど急ではないが結構距離を上って最後の作業道から分かれて歩道を上るとすぐに61番奥の院からの分岐に出る。イスがありここで息を入れる。ちょうどいい場所だ。そもそもここまで休憩できる場所がない。ここから60番までは3.3キロ。ここまでは6キロというところか。
奥ノ院分岐~60番横峰寺
ここから少し下ってその先は馬の背の尾根歩き。こういう道はラクで楽しい。長戸庵から柳水庵を思わせる。黒瀬方面への分岐があるはずだが表示がわからなかった。その先から最後の登りにかかる。最初だけ急なところはあるがさほどではない。標高600 mを越えたところでガードレールが見えてきて車道に出た。やれやれ、少し歩いて直進する駐車場への車道と分かれて右へ。チェーンではいれなくなっているが、車の通れる道。寺への私道なのだろう。それをだらだら上ると堂宇が見えてきて大師堂前へ出る。手前に自販とベンチがありそこに荷を降ろす。大師堂の向かい正面が本堂でその右横の階段下に納経所と手水場。山門はさらに左手先だ。59番からの順路は湯浪道だろうから、裏から入ってきた格好になる。山の上というか中腹なので狭いところをコンパクトに切り拓いてある。山の精気が感じられる静かな寺で好感が持てる。まず下まで降りて手水を使う。きれいな水が流れて気持ち良い。お参り客が三々五々来ているが、歩きはいない。さもあろう。歩いてこの時間につくのは難しい。ちなみに小松駅から2:15だった。上の段へ上ってお参り。歩いて登った山上の札所での読経は気持ち良い。納経所では若い僧が記帳。納経所横に休憩所小屋があり、その先が山門で車も小松コースも裏から入るのでこっちが表なのに誰もいない。山門からつながる暗い下り道は湯浪道だ。いかにもこっちが正道ですよと思わせる堂々としてよさげな坂道で、距離を厭わずこっちからきたらよかったかもとちょっと思う。左手には星が森への道が分かれている。昨日の野宿おやじには会わないな。まだ上ってないのだろうか。
60番横峰寺~奥ノ院分岐~63番吉祥寺
荷物のところへもどり自販のレスカを飲んで、30分ほどの滞在で来た道を戻る。車道を寺の車が上がってきた。車止めのチェーンのところで2台目がきてチェーンをはずした若い坊さんがどうぞと通してくれる。帰りはビジネス小松泊まりの人が上って来るのとすれ違うだろうと思ったら結局おやじ2人と若い女性1人の3人だった。全員がそうとは限らないがそんなものか。下りもそれほど難所はなく歩きやすいが、上りとあまりペースが変わらないのはなんでだろう。逆に上りが大したことなくて速かったのだろうか。下りも2時間はゆうにかかっている。また奥の院分岐のベンチで一休みした後、採石場まで下りてくると今度は稼働していてガラガラとすごい音。ダンプも頻繁に行きかっている。オアシス分岐四叉路を右折してからがやけに長く感じた。道が違うんじゃと思いかけた頃、切川梅園看板が出てきてああよかった。やっと旧街道を右折、少し歩いて左折個所を間違えて行き過ぎたところで11号線に出ると左前方に63番がある。信号を渡って細道を右折していくと左手にりっぱな山門で駐車場はさらに細い道の先。正面に本堂、左手に大師堂、右手に納経所。車遍路が次々くる。夫婦連れが多い。ここも歩きはいない。おばさんがさらさらと記帳。本堂から目をつぶって歩き穴に杖がはいれば願い事がかなうという成就石がある。結構距離があり難しそうだ。パン2個の昼食。
63番吉祥寺~64番前神寺
下界は暑い。ここから笠をかぶる。また11号線を渡って旧街道を東へ。足は何とか動いている。というか山のダメージはそれほどない。64番手前で右道から軽トラが出てきかけて止まる。前を行き過ぎるとこっちに曲がってきて横に停まっておやじが呼び止める。どこからですか、北海道です、へえー、これ食べてください、と6個ほど生った枝つきのビワをくれる。いやー立派ですね、ありがとうございます、お気をつけて。びっくり。そういえば今回は沿道に見事に生ったビワの木がいっぱいあった。ビワの季節なのか。高知あたりでもあったのだろうかよく覚えてない。徳島で秋に柿もらったことがあってあれは往生したが、ビワなら食べやすいからまだいいか。写真を撮ったあとで葉付きの枝を落としてリュックにしまう。しかし今回はこれで三日連続のお接待だ。右手に石鎚神社の大鳥居が見えてお参りしていこうかと一瞬思ったが、奥深そうだったのでやめにして直進。すぐに右折して64番へ。ここは山裾の境内は広く周囲は木が茂って荘厳な感じ。ずっと奥に大きな本堂、下段に大師堂、下段に納経所。鬱蒼とした森を背景にしてどこか神域を思わせるのは名前の通り神社と縁の深い由来のせいか。
三々五々参拝者が来るもののやはり歩きはいない。途中で買ったCCレモンを飲む。納経所は3人分窓口があり、誰もいないので声をかけると若いのが出てきてサラサラ。納経帳を手にもって傾けて書いている。こういうのがこのあたりの流儀なのか。
64番前神寺~中萩駅~西条
さて今日の札所はここまでだが、ここからは明日楽をするために西条の次の駅中萩まで歩く。ここまでたどってきた讃岐街道はうねうね曲がっていて遠回りなので直線的な国道沿いを歩くことにする。暑いし楽しくないが10キロほどなので昨日の18キロを思えば大したことはない。順調にきて予定より一本早いJRに間に合いそうなのでがんばって歩く。特記することもなく中萩駅入口まで歩いて左折、十分に14:46発に間に合った。やはり山のダメージはあまりないようだ。なぜか駅手前に鳥居があってそれをくぐると小さなかわいらしい駅舎。券売機もない。意外や4, 5人待っている客がいる。
駅前の鳥居
中萩駅
駅名標
高松発松山行き4119M
やってきた松山行きは2連だが後ろは閉切なので実質単行。乗ると扉のところに隣の車両は閉切ですとシールが貼ってある。常に閉切で走っているのかいな。さらっと席がうまるくらいの乗り。西条までは一駅だけど結構乗った感がある。確かに歩きではあった。西条でかなり降り、跨線橋を渡って改札口で220円払う。まだ時間が早いのでどうするかなと駅横の鉄道文化館を覗いてみる。DF50の実物が展示されているのが見えたのではいってみることにする。土曜なので家族連れが多い。入口の券売機で300円の券を買う。靴を脱いでスリッパに履き替えなければならないのが面倒だ。しかも北館と南館に分かれていて。南はどこですかと聞いたら外へ出て跨線橋を渡って向こう側ですと。なんと不便な。なんで集約しないんだろう。北には実物はDF50と0系の半分、運転席に入れるようになっているのはいい。出て南へ行ってみるとこちらはC57、キハ65、DE10がいた。四国にC57なんていたかなと思うがどうも北海道にいた機らしい。こっちの方が大規模で模型レイアウトや屋外にミニSL用線路などもあったが、まあ大したことはないな。
西条鉄道文化館のDF50
キハ65
また橋渡って北側にもどり、ローソンに寄ってホテルへ。まだ大浴場が開いてないので、部屋のバスで足に冷水シャワーのアイシング。これはなかなかよかった。昨日もすればよかった。その後汗を流して、またランドリーへ。その後、17時とともに大浴場へ。上がって夕食。ローソンのおばちゃんがお弁当温めますかと温めて別袋にしてくれたのはいいがその分のレジを打ち忘れている。もちろんわざわざ申告しにはいかない。食後にもらったビワを皮を剥いて食べる。甘くておいしい。大きな種が2,3個ずつはいっていたので水洗いして乾かして持って帰ることにする。
5.2017年6月4日(日) 西条=中萩駅~65番三角寺~四国中央下柏
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
伊予西条,540,112M,545,中萩
中萩駅,547,,734,長野(9.5 km, 1:47),0:07
長野,741,,911,延命寺(8.0 km, 1:30),0:16
延命寺,927,,1029,長田祇園社(5.5 km, 1:02),0:08
長田祇園社,1037,,1144,中之庄(5.8 km, 1:07),0:18
中之庄,1202,,1220,三島(1.7 km, 0:18),0:08
三島,1228,,1254,戸川公園(2.2 km, 0:26),0:08
戸川公園,1302,,1346,65番三角寺(3.3 km, 0:44),0:35
65番,1421,,1523,四国中央下柏(5.4 km, 1:02)
西条=中萩駅~長野
今朝も4:30にアラームセット。といってもアラームで起きたことはなくいつもその前に目覚める。途中起きたもののまずまず寝られた。パン食べてすべて荷造り。外は涼しく気持ちよい。昨日とほぼ同じ時刻だが今日は手前ホームの高松行きに乗る。こちらは113系でシートは転換クロス。この方が落ち着く。どうも片面ロングの7000系のようなのは好かない。日曜の朝でガラガラ。中萩下車ゼロ乗車1。車掌があわてて集札。
高松行き始発112M
今日は11号線の山側をほぼ並行する旧街道に沿ってひたすら歩くだけ。すぐに新居浜市街にはいり街道ごと一部喜光寺商店街というアーケード街になっているがまだどの店も閉まっている。特に何事もなく新居浜を抜け、市境手前で11号線に合流したあたりの長野バス停近くの左手で最初の休憩。地図にあるヤマザキは閉店していてその手前になる。
旧讃岐街道をひたすら東へ
アーケード
すぐ先を遍路ぽいカート引いたリュックじじいがおり、あれに追いつくのもと休憩した。といっても向こうは遅いので歩き出したらじきに追いついてしまう。右側に渡って自販機で何か買っているところへ、お遍路ですかと声をかけると、自分の心がなんとかかんとか六感に従ってなんとかと声高に弁じだす。ああそういう人なのか、こりゃあかんと早々に先へ行く。遍路というより路上生活者かい。
長野~延命寺
その先でまた旧道に入ったところでこんどは夫婦遍路が座って地図みているのを追い越す。こっちはまとも。その先の関川を渡った左手に弘法の休憩所とかいうプレハブと仮設トイレがあったがまだ用なし。先へ行く。その先の住宅街で左手から話し好きなばあさんが出てきて手をたたくので止まって立ち話。どっからきたの、北海道、へー北海道何度もいったよ、先生が旅行好きで女ばかり7人くらいであちこちいった、と止まらない。そのうちお茶飲んでいかない、急ぐの、いや先が長いので、そう、でもこれないしね(お金のサイン)、いやそんないいですから。お接待は断ってはいけないのだけれど今日はハードスケジュールで朝からのんびりもしてられない、というか上がり込んでお茶は平にご容赦を。しかしこれで4日連続になった。せっかく休ませてくれるというのを断ったバチか、その先へいって休もうにもしばらく休み処はなく土居の別格延命寺まで行ってしまう。ここがほぼ中間点だ。境内の向かいに立派な遍路休み処があった。お寺もきれいで坊さんが境内を掃いている。日曜日だからにぎわうはずなのに別格だからか無人。えらい違いだな。車なら別格だって楽だろうに。パン1個食べる。誰もいない境内を掃いているところにお参りもしないのにはいり込むのも気が引けて、いざり松とかいう遺物を見逃した。
別格霊場延命寺
休憩所
延命寺~長田祇園社~中之庄
ここから笠をかぶって歩く。なかなか旧街道沿いには休めるところがなく、この先は豊岡にはいって左手の小さな神社の石段に腰を下ろして休む。後で調べたら神社ではなく番外霊場長田祇園社というものでぼくが腰かけた木造建物は大師堂だったようだ。お大師様のお世話になったわけだ。このあたりにはJAうまのようにうまを冠した名前を時折り目にする。漢字だと宇摩だろうかと帰って調べると、宇摩地域といって旧宇摩郡は町村合併で消滅したのだそうだ。合併でできた四国中央市の市名公募のときも有力だったのが宇摩市だったとか。たしかに全国的な知名度というかインパクトは劣るが由緒ある名前なんだし四国中央よりはなんぼかよかったんじゃないかと思ってしまう。ついでながら宇摩といえば旧深名線に駅があったなと調べてみると、なんとここの宇摩地域からの入植者が宇摩団体として定住したのが元になっていた。ますます宇摩市に一票投じたくなる。閑話休題。次の目標は中之庄のしんきん庵秋桜というへんろ小屋。近くなったところでCCレモンを自販で買ってのみながら歩く。歩き遍路の友はコーラかCCレモンに限る。大きな開けた交差点角にポツンとへんろ小屋があった。屋根がある日陰がありがたい。記入帳があったのでお礼を一筆。へんろ小屋プロジェクトは助かる。パン2個で昼食。ゴミ袋もあったけれどゴミは持ってゆくことにする。
しんきん庵秋桜
中之庄~三島~戸川公園
歩き出すとじきに気配が。11号線を渡ったすぐの地図のJAマークの先にローソンがあったのでこれ幸いとはいり用を足す。気持ち良い。ついでにパンがなくなったので明日の分クリーム5個を補充。高速の下を抜けて左折。65番への上り道は2つあり最初は楽そうな太陽の家の方から往復する予定だったのが、標識がみんな右を指していたのでなんとなく戸川公園コースへ曲がってしまう。その戸川公園はなかなか広い。立派な休憩所で最後の休憩。
戸川公園休憩所
戸川公園~65番三角寺
そこから家並の中の狭い車道を上ってゆく。分岐やらカーブが多くわかりにくいがへんろ札があるので迷うことはない。やがて土道になり結構な上り坂となる。薄暗い木々の間の前方に何やら物影、ん、とみると猿だった。お、とカメラをとりだしているうちに消えてしまった。昨日と違って今日は荷物がある。横峰はラクと感じたのは荷物がほとんどない分割り引かなきゃならないな。左手に展望が開けるところに休み処(ひびき休憩所)があるが通過。さらに上ってやがて車道に出る。道なりに進むと左手を太陽の家から上ってくる道と合流したところが長野商店で店先におばちゃんがいる。その先がすぐ65番だ。
三角寺への道
ひびき休憩所から伊予三島方面眺望
猿の出る山道
右手駐車場横の長い階段を上ると山門で珍しく山門内に釣鐘が下がっている。ゴーンと一突きして境内へ。すぐ左のトイレの横に四阿ふうの休憩所があり荷物をおく。こういう四阿は歩き遍路にはありがたい。たいていは屋根すらなく吹きさらし日の照り付けるベンチしかないし、ひどいところはベンチすらなくて休めなかったりする。山門の右手が納経所で左方に境内が広がる。一番奥の右手に本堂。中でなにやらじゃらんじゃらん金属音がして坊さんがお祈り中のようだ。日曜なのでそこそこ人がきている。歩きはいない。その手前右が大師堂。納経所の中年おばさんは可もなく不可もなし。休んでいると団体がぞろぞろとやってきた。今回初めてだ。重ならなくてよかった。帰りに抜かれたが三島のタクシー3台とジャンボタクシー2台だった。
夫婦連れのおやじが奥さんのトイレ待ちのときに話しかけてくる。どちらから、札幌です、へえ私も北海道です、小樽にいたことあるんです、札幌はどちら、あいの里です、あああそこは昔石狩太美っていいましたね、あ、いや太美は隣でその手前です、なんか大学がありましたよね、教育大ですね、となんともローカルな話。奥さんは当別の人だとか。本人は仕事であちこち回っていて今は高松だそう。話し好きの好人物。奥さんがあらわれてではと去る。ここまで36キロくらいあったが休憩別でほぼキロ11.5分くらいをキープしてこれた。休憩が5-10分くらいずつ。キロ12分で5キロ1時間ごとに10分休むと表定キロ14分となるのでそれよりやや速い。それでも65番着は少し遠回りしたせいもあって予定より30分も早くない。ちゃんと帳尻は合うものだ。
65番三角寺~四国中央下柏
あとは山を下るだけ。しかしそこからが問題だった。遍路地図が杜撰で大迷惑。まず太陽の家へ下る車道が四国のみち標識では椿堂となっている。車はそっちから行くのかもしれないが、歩き遍路向け表記がこれでは困る。実際は寺の先の道のはずだ。たまたま戸川公園方向から下ってきた地元ふうのおやじが、椿堂いくのと声をかけてくる。間違いを教えようというのだろう。いえ三島に下ります。三島はこっちですよね。ああ三島はどっちでも行けるけど。車道を下って43.7キロ分岐を過ぎるとその左手に遍路シールがたくさん左道を指している。そっちは狭い土道になっているので、これは遍路地図の「福」の字のところのう回路だなと思い、なら車道行ったほうが短いはずだと思って車道を直進する。これが間違いだった。実際は43.7キロ分岐とう回路分岐の間に「中央市」の字のところへ抜ける車道があって、そちらがメインルートになっている。これが遍路地図には全くないのでう回路短絡のつもりでその遍路地図にない車道へ下りてしまったというわけ。太陽の家への道はへんろ札の示す細道だったというわけだ。遍路地図は道の主従とか太さ表示がいいかげんなので分岐での見極めがしにくくこういう間違いをおかす。あとで2.5万図を見たらこの車道が主道としてちゃんと載っていた。その時はそんなことはつゆ知らず道なりに下って行くとカーブが連続してさすがにどうも方向が地図と違うようだと思いだす。伊予三島の製紙工場の煙突が遠くなり町から離れるようで、どこへ行くのだろうと不安になる。もどって上り返す気にもなれずどこか下界へ出るのだろうと先へ進む。高速の下をくぐったが太陽の家の先のインター付近のようでは全然ない。どうも東側の上分PAのあたりらしいと見当をつける。やっと192号線に出るとサークルKがあって現在地がわかった。やれやれ。考えてみるとそうとんでもない遠回りというわけでもなく、ホテルへはたどりつけそうだ。たとえていえば千本峠の間違いみたいなものか(笑)。いや笑えないけど。しかし心理的ダメージは大きい。予定より早くチェックインできるつもりが同じくらいになった。下界は暑い。最後にどっと疲れた。
スーパーホテルは町はずれにドーンと立つ。機能的。まずキーがなくて暗証番号で入室。支払いは現金。シニア割引で年齢確認というのをすっかり忘れていたが、免許証もってきていたのでパス。部屋着は自分で棚からもってゆく。枕も各種並んでいて気に入ったのがあればもっていくシステム。室内は狭いが最低限のものはそろっている。すぐ外へ出る。信号を渡って向かいに巨大なショッピングセンター。車がたくさんくる。右手奥がイオンでそこにたどり着くのが遠い。中がまた広い。食品売り場へ行くがそこも広くてどこがなにやら。弁当を買いたいが温めてくれないだろうな、ならばと太巻き寿司を買って、あとはイオンオリジナル天ぷらそば、飲料。レジ行くと袋ありますか、ああそうかスーパーだもんな。なんか持ってくるんだった。いえ、というとお寿司には袋付くんですけどという。そうなのか。はいりますかね、とそれをもらってすませる。詰め込めばなんとかはいって寿司買ったのが結果ラッキーだった。もどって15時からやっている大浴場へ。だれもいない。快適だけど、なにせぬるい。これが通常なのか異常なのか判断がつかないが。ぬる湯の下部温泉を思いだす。あんな感じ。まあそう思ってゆっくり浸かる。
スーパーホテル四国中央
6.2017年6月5日(月) 四国中央下柏~66番雲辺寺~69番観音寺~観音寺
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
四国中央下柏,515,,619,成滝不動(5.7 km, 1:04),0:09
成滝不動,628,,707,葱尾(3.8 km, 0:39),0:05
葱尾,712,,813,佐野(5.6 km, 1:01),0:06
佐野,819,,935,66番雲辺寺(5.3 km, 1:16),0:26
66番,1001,,1009,山頂駅(0.5 km, 0:08)
山頂駅,1020,ロープウェイ,1027,山麓駅,1040,ロープウェイ,1047,山頂駅
山頂駅,1048,,1204,粟井(4.8 km, 0:53),0:07
粟井,1211,,1316,67番太興寺(5.3 km, 1:05),0:29
67番,1345,,1438,池之尻(4.8 km, 0:53),0:08
池之尻,1446,,1530,観音寺(3.3 km, 0:44),0:07
観音寺,1537,,1556,68番神恵院/69番観音寺(1.6 km, 0:19),0:24
68/69番,1620,,1657,観音寺(2.4 km, 0:37)
四国中央下柏~成滝不動
今朝も4:30のアラームの鳴る前に4:15に起きてしまう。雲辺寺越えて観音寺までともっともハードなスケジュールなので5時には歩き出したい。そんな大事な日なのに昨夜はほとんど寝た気がしない。寝つかれないのはいつものことだが最悪に近い。セミダブルベッドにその幅の細長く固い枕が備え付けでそれがしっくりしない。下から好きな枕をもってくればいいのだがそれも面倒だ。眠ってはいるのだろうけれどずっと記憶があるような夢のような。パン2個の朝食。5:10に外へ。フロントはシャッターのようにカウンター全体が閉まっている。こんなのも珍しい。外へ出て5:15出発。昨日の道をサークルKの先の腹立たしい三角寺分岐までもどり、そのまま192号線を直進する。右に地図にないファミマ、その先左にローソンを過ぎると家並みが途切れて山間に分け入っていく。朝だから涼しいし快調なペースのはずだが昨日よりペースが上がらない。疲れのせいか、寝不足のせいか、道がゆるやかな上りになっているせいか。コンビニが尽きて高知道をくぐるとやがて便意がくる。この先は別格霊場椿堂があるな、そこで借りようと考える。行く手にお堂が見えてきて幟がたくさん立っている。椿堂なら右手のはずなのに左側だし小ぶりだし変だなと思う。いくと成瀧不動明王と書いてある。遍路地図には載ってないがこれも番外霊場のひとつのようだ。本堂と棟続きの横にトイレらしき扉が見えたのでここのを借りようと上がり込む。突然ウーウーウーとけたたましいアラームが鳴り響き仰天。夜間は無人なのでセンサーによる警報がセットされているらしい。まるで不審者の気分だというか不審者か。一瞬固まったものの急場ではあるので意を決して荷物を置いてトイレにはいる。手前は男子小用奥が女性用だった。幸い鍵はかかってない。はいるとセンサー範囲からはずれて音が鳴りやんだ。やれやれ。警備員が駆けつけるようすもないので音が鳴るだけなのか。トイレはボットンだけど洋式のカバーがしてありトレペもあって割合清潔。気持ちよく使わせてもらう。終わって外へ出ると途端にまたウーウーと鳴りだすので荷物をもってとりあえず建物から離れる。驚いたけれどとにかく用は足りた。ありがとうございます。お賽銭くらいおいてくればよかったな。
徳島への街道
成滝不動
成滝不動~葱尾~佐野
そのすぐ先の椿堂あたりは川滝の集落になっていて椿堂は街道に面していないのでさっきのお堂を借りたのは正解だった。この192号線は徳島へ向かう下道でしかもこの先の池田からは32号線で高知にもつながっているせいか早朝から車がたくさん通る。しかも大型トラックが多く、歩道はあるもののこわい。その先のしんきん庵法皇で休憩。ここも小屋つくり。しんきん庵は信金庵で信金が建てたものというのはダボさんのブログで知った。信金の人が管理してお接待などもあるらしいが、月曜の朝とて無人。その先意外に早く境目トンネルの入口が見えてくる。今回初めてのトンネルだ。古岩屋トンネル以来かな。そしてこれが遍路道最後のトンネルのような気がする。中は両側に一段高い歩道があるがどちらも狭い。浦戸大橋くらいな感じ。今回はマグライトを持ってこなかったし、車が至近を通り過ぎるのでなかなか恐い。トンネル内に県境があり徳島県にはいる。毎回バスでは通っているのだが歩くのは3年ぶりでなんとなく懐かしい。抜けてやっと佐野の集落へ。国道から脇道にはいり家並みの中に民宿岡田があった。古いつくりでぜひとも泊まりたいようには見えなかった。今回は全部ビジネスホテルという極端なことになっているが、気楽といえばこれ以上のものはない。
しんきん庵法皇
境目トンネル
トンネル内の県境
徳島県に入る
佐野~66番雲辺寺
その先で66番への登り道へ。まずとっつきの路側に沿った細い上りはまだ入り口ではなくフェイントみたいなものでショートカットして一段上に出るだけ。その左の方にもうひとつショートカットがあり徳島道をくぐった先でまた車道に出てそこに登山口があるのだが。最初のショートカットの出口付近で左へ行くところを直進してしまい標識もなくてあれれとなった。行きつ戻りつして高速の下へゆく歩道を見つけたものの、ここはちょっとわかりにくい。もう少し丁寧に標識がほしいところだ。民宿岡田に泊まれば詳しい地図をくれるそうでネットにも上がっていた。同じことやっているビジネス小松といいすばらしいサービスだと思うが泊まらない人には行きわたらないのが残念。登山口から土道を登り始めると最初からかなりの勾配がずっと続く。下は岩でなく土が多いので歩きやすいが単調な勾配が続くので息が切れる。勾配自体は焼山寺みたいなジグザグの急坂ではなく直線的で特にきつくはないのだがとにかく一本調子に続くのでつらい。途中一回休憩。道端の木に腰を下ろす。息が上がって苦しい。休憩所は一つもなく暗い林の中。朝で日がさえぎられて涼しいのが救い。GPSの標高表示を励みにがんばる。あと少しで車道というところで、もうすぐ車道ですかねと、ゆっくりおやじを追い抜く。岡田泊まり最後尾の人だろうか。ポンと開けた車道に出る。やれやれ。そこからは左手遠くに鉄塔の立つ頂上がみえる。はるか遠くに見えるがこういうのは意外に近い。車道は歩きやすく平地と同じペースでどんどん歩ける。
佐野からの登り口
ここから本当の山道へ
直登でどんどん登る
やっと車道にでる
頂上の鉄塔が遠い
車道歩き
白地方面の車道分岐で少し休憩。そこからは左手に続く車道をショートカットを数回繰り返してそれほどの坂もなく歩き、堂宇がみえてきて本堂横に到着。
白地方面分岐から山道へ
もう雲辺寺直前
雲辺寺堂宇がみえてくる
入口はロープウェイ側で手水もそっちなので本堂前に荷物を置いてまずは山門へ。手水をつかって入るとまず大師堂で順序が変だ。通り過ぎて本堂を先にお参りしてから大師堂へもどり再度本堂側の納経所へという順序。元々は本堂側に山門があったのをロープウェイ側に移したとどこかで読んだ覚えがある。なら元は山門、本堂、大師堂の順だったのだ。それを山門を大師堂の先に移したので変な配置になったわけか。横峰も裏からはいったので山門が反対側だったけど、あれは正規のルートがそっちなので裏から来たこちらが悪いのだ。ここはもともと本堂側が正規の表玄関なんだから山門もこっちにあるべきで、ロープウェイ客に阿って移設するとは何事かと思う。森閑清廉な佇まいの横峰と違ってここは山頂で開けているしそんな俗臭が感じられて今一つありがたみがないような。納経所は若い娘が開いていたノーパソを横へよけてサラサラ記帳。一事が万事らしくない。本堂横にはおたのみなす。くぐってこしかけると願いが叶うとか。観光地だ。
ロープウェイ側の山門
門外の手水場
本堂
大師堂
大師堂横のマニ車
おたのみなす
講釈
ロープウェイがつくとパラパラとお参りの人が来るが月曜のせいか人は少ない。三脚もったじいさんとばあさん2人連れがうろうろしてじゃまくさい。着いたとき本堂の横に荷物置いたときに野宿へんろが店広げていたけれど、もどるといなくなっていた。10:00のロープウェイには間に合いそうもないので10:20にする。
6番雲辺寺~山頂駅=山麓駅=山頂駅
山門を出てロープウェイ側に行くと道の両側に五百羅漢像が連なる。おびただしい羅漢像の威容いや異様。夜は怖いだろう。ロープウェイ駅舎で往復切符を所望すると、下には何もありませんよ、いや乗るのが目的なので20分後にもどってきます。待っている間に梅昆布茶のサービス。太龍寺はシイタケ茶だったな。下って行く方向眼下には瀬戸内海まで下界風景が雄大に広がっている。寺でうろちょろじゃまだった老人男女3人連れがいっしょ。山の上で止まっていると少し肌寒いが秋の太龍寺ほどではない。三豊平野が一望、遠くは霞んでいる。結構雄大で、第二、第三支柱間は日本最長なのだそうだ。
おびただしい五百羅漢
意外と不気味
五輪塔
ロープウェイ山上駅
往復券
搬器
三豊平野を望む
上りと離合
山麓駅へ
山麓駅は開けたところで広い駐車場があるが人気はほとんどない。そもそもここへ来る交通機関がない。下りてお茶飲んでパン食べてトイレへ行ってまた乗る。外のベンチでそろそろ時間だなと思っていると、ロープウェイ乗りますかと若い係員が声かけてくれて、あ、乗ります、とリュックもって乗る。乗り込んで座っていると、そのあんちゃんが杖忘れてませんか?ともってきてくれる。ありがとうございます、大事なものを、と恐縮。しかし、ここへきて忘れるか。はずかしい。急いで行動したのが間違いだ。しかも歩き出しじゃなくて乗り物だから気がつかなかったのだというのは言い訳。上り搬器には中年女性2人と遍路2人。1人はアジア系?男性。
山頂駅~粟井~67番太興寺
山頂へもどり外へ出ると地面に徳島と香川の県境の線が引いてあった。さっきは気づかなかった。寺へは行かず67番方向へ行きかけると同乗の遍路おやじから声をかけられる。太興寺へ尾根道を行かれるんですか、自分も行くつもりですとのこと。帰りだけ歩くということか。少し行くと下り道の入口に直進方向は北嶺展望台0.1 kmとあるので行ってみたらNTTの鉄塔で行き止まり。展望も何もない。なんなんだよ。
山頂駅前の県境
大興寺への下り道入口
分岐へもどって下り道を歩き出す。土道で歩きやすいがこちらも単調な下りが延々と続く。三坂峠を思いだす。とにかく長い。高度表示がなかなか下がらない。下りだからいいがこれを逆から上るのはさぞ辛かろう。これなら佐野からの登りの方が短いだけに楽だ。ああ横峰とどっちといわれたらどうだろう。確かに雲辺寺はそれほどではない気もしてきた。ひとついえるのは横峰も雲辺も焼山寺に比べりゃはるかに楽だ。あのへんろころがしは確かにピカ一。あれを最初にもってきてふるい落としするシステムなのだ。やっと車道へ出る。車道に出る直前の階段にすわって休憩。ここから笠をかぶる。ここまでの下り道休憩所はたくさんあるが休み損ねた。下り道で1人中年へんろを追い越した。すぐに青空屋がある。開けたところでこちらも普通の家風だけど古い感じではないのでよさげ。まだまだ67番までは遠い。そういえば横峰からの下りも遠かった。距離は同じくらいだが今日はホテルから佐野まで14キロ歩いている分きつい。表示に従って歩きやっと民宿おおひらに突き当たる。近代的でいい感じ。右折すぐ左折して上り下りさらに左折してやっと山門。なんのことはない寺のある小山を裏側から半周して表へ出たのだ。
えんえんと続く下り道
三豊平野が見えてくる
平地に下りると遠くに象頭山
境内は階段の上。やっと着いた。左手荷物置き場に66番にいた愛想ない野宿へんろがまた店広げている。荷物を置いてお参り。他にほとんど人はいない。ここは正面の本堂の向かって左にこちらを向いて納経所がありそこからごっついおやじがこちらをにらんでいる。変な配置だ。見張り番みたい。お経唱えても落ち着かない。左手の大師堂へ参って納経帳もってもどる。差し出すと見かけはこわいが親切で、歩きですか、この先の道わかりますかとパンフ出してきて昔からの遍路道はこうなんですが国道が車が多くて渡りにくいのでこの先の信号を渡った方がいいですよ、とていねいに教えてくれる。クッキーもくれた。あそこの歩きの人にあげなかった気がしたので言えばあげますからというので、もどって件の野宿遍路に伝えると、あははいやまだお参りしていないんだ、それより自分の方が優先でと何か食べている。こちらもとっつきにくいかと思いきや話してみると気さくでおもしろい人だった。今回は一国参りで回っている。昨日はしんきん庵まできたが店も何もなく食料調達できないので池田の民宿に電話して迎えに来てもらって泊まった。今日は琴弾公園に泊まるつもり。パン二個食べて30分くらい休憩。靴脱げばよかった。
67番太興寺~池之尻~観音寺~68番神恵院/69番観音寺
お先にと出る。この先377号線までの遍路地図の道は違っててもらったパンフのが正解。ところでこのパンフ、太興寺のものだけどどうも統一様式のようだ。札所それぞれで配付してるのだろうか、見たことないけど。コンパクトにまとまっているし史料価値もあるし集めたいくらいだ。ここの山門の金剛力士像は88か所で最大で伝運慶作と後で知った。よく見てくるんだったよ。あとは標識通りに観音寺まで歩くだけ。しかし暑い。そして長い。田園風景、ため池。振り返ると遠くに越えてきた雲辺寺山が見える。11号線越えた先のバス停併設の休み処で休憩。今日初めて靴脱いだ。あと2キロなんだけど。あたらしい旅籠屋を横目にJR踏切へ。おりしも下り貨物がきた。牽引機はとみてるとEF66だった。一旦開いた踏切が単線なのにすぐに観音寺交換の電車がきて閉じ、待たされる。踏切の先を左折すると駅はすぐのはずなのに遠い。ホテルはその向こう側でさらに遠い。駅前に着くとちょうど観音寺expのバスが着いて降りたのはおばさん一人。パークホテルは予想よりもずっとまともだった。一昔前のビジネスホテルという感じ。フロントの礼儀正しいじいさん。6F、部屋もまとも。さてまだ15時半。時間があるから明日朝にしてもいいんだけれど、1.5キロ先の68/69番へ行ってしまうことにする。
バス停併設休憩所
越えてきた雲辺寺山を望む
南光坊スタイルでサブザックに納経帳のみ。しかし1.5キロはなかなか遠かった。今日はすでに40キロ近く歩いている。しかも山登り降りあったし。財田川の橋を渡って左手に琴弾八幡宮。その横を直進してやっと左手に山門。くぐって左側が68番、正面右側が69番。あわせても寺一つ分くらいの広さしかない。神恵院の本堂はコンクリートの建屋の中でへんなつくりだ。パラパラと人がきている。4回連続してお参りすると混乱して観音寺の本堂で本尊真言を飛ばしそうになった。遍路おやじにこっちの大師堂はどれですかと聞かれる。混乱するよな。混乱するといえば寺はかんのんじで市名はかんおんじ、なんでだろう。真ん中辺にある納経所は共通でベル押すと蓄髪の中年おやじがでてきてやけにていねいに座る前にまず一礼。こんなのはじめて。納経帳は閉じてお出しくださいと紙が貼ってある。2ページ分なので間違わないようにしてるのだろう。1人で2つ書くのはずるしているようで変な気分。最後もようお参りくださいましたと挨拶。
神恵院・観音寺山門
神恵院本堂入口
神恵院本堂
大師堂
観音寺本堂
大師堂
68番神恵院/69番観音寺~観音寺
その後69番横の階段を上り裏の車道へ。その先に銭形展望台。銭形も見事だがその先の海がきらきら光ってきれい。そこから琴弾八幡宮本殿横に出てあとはずっと階段を下る。いつのまにこんなに上ったのだろうと思うほど階段は長い。やっと車道へ。来た道をホテルへ、前を過ぎてミニストップで買い物。弁当充実しかも安い。セブンなんかよりずっといい。高校生がイートインでたむろしている。ホテルにもどると何とロープウェーのアジア青年がはいっていくところだった。同宿だったのか。
銭形砂絵
観音寺パークホテル
7.2017年6月6日(水) 観音寺~70番本山寺~高瀬駅=丸亀=神戸=札幌
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
観音寺,813,,911,70番本山寺(5.2 km, 0:58),0:24
70番,935,,1057,高瀬駅(6.3 km, 1:22)
高瀬,1131,4130M/130M,1205,丸亀
丸亀駅,1247,さぬきEXP,1552,三宮ターミナル
三宮,1555,ポートライナー,1613,神戸空港
神戸,1740,SKY175,1930,新千歳
観音寺~70番本山寺
最終日は昼過ぎのバスを丸亀でつかまえるだけなので時間はゆったり。朝食が7:00からなので朝6:30にアラーム。いつもより2時間も遅い。相変わらず寝つきが悪く、ほとんど寝た気がしない。6:00には起きる。でも眠くはないので寝てるのかも。6:58に下に下りると人が待っていてすぐオープン。モーニングはトーストとタマゴサンドの二択。トーストにする。コーヒー、サラダ、ハム、バナナ、ゆで卵と簡素だが久しぶりのまともな食事だ。タマゴサンドにするとゆで卵がパンに挟まってあとは同じみたい。宿泊客が10人くらい次々に来る。食べ終えて500円払う。朝食券持っている人が多いのはそういうプランなのだろうか。部屋に戻りゆっくりしたく。歩く距離は知れているのでテーピングもUVケアも省略。時間がありすぎる。トイレは2回まあまあ。時間を持て余し8:10に出る。
モーニングセット
町中を通って財田川沿いの道へ。早くついても駅で待つだけなのでゆっくり歩く。杖はこのあと袋に納めるので汚さないようにつかずにもつ。好天だが薄雲が少し多い。気温は同じくらいか。今回はほんとに天気には恵まれた。ゆっくり歩くというのも難しく、最初はペースがぎくしゃくしていたが、そのうちキロ12.5分くらいになる。車が通れる道がそのうち遊歩道のようになって草刈りをしているところを抜け、JRの下をくぐって左折して橋を渡るとじきに本山寺へ着く。
地味な印象だったがなかなかのつくり。五重塔が修理中で覆われている。広やかで落ち着いた境内に誰もいない。気分良い。正面が本堂でその裏にまわると納経所。本堂の右手に大師堂。ゆっくり灯明をあげて読経。工事の音はするが他に雑音がなく落ち着く。最後がこうでよかった。納経所は意外や茶髪のヤンママ風。こういうのははじめて。
本山寺山門
本堂
大師堂
五重塔は修復中
馬頭観音が本尊
70番本山寺~高瀬駅
高瀬駅へはまず11号線を歩く。国道歩きも慣れたものでもう気にならない。途中から脇道に入り市街地というほどでもない家並みになったあたりで駅前通りを左折して突き当たると駅。ここで今回は終了。もっと早く出れば次のみの駅まで行けたけど、秋が高知発なのでこのへんはどちらでもよい。さすがに善通寺まで行けば違ったけど。昨日68/69番を打ったので今朝6時過ぎに出て7:00に70番を打てばがんばって74番まで歩くという当初の最長案も可能だったかもしれない。だけどそれは結果論だ。まあこのへんが潮時というものだろう。ゆっくり歩いたのでまあまあの時間に到着。高瀬は三豊市代表駅にしては小さく何もない。かろうじて窓口はあるが途中でカーテンが閉まってしまった。カフェのようなのが併設されているが改修中でやってない。トイレはボットン式でハエが飛び交う。個室に入る気がせず、外で素早くズボンを履き替える。杖と笠もしまう。
高瀬=丸亀=神戸=札幌
高松行きサンポートは2両で後ろは閉切なので実質1両。座席が30%くらいの乗り。多度津で南風に抜かれ、乗継客が乗ってくる。高松方面へ行く人はこれに乗り換えなのかそれにしちゃ少ないな。丸亀着。かなり降りる。高架駅になっていて昔の記憶は全然ない。時分どきだが、駅内や近くにうどん屋なし。残念。セブンキヨスクのホットドッグで昼とする。温めてもらうとこれがなかなかイケた。おみやげもセブンのレジ。さぬきうどんを買う。いろいろ種類があってわからない。バス乗り場は南口の左手。さぬきexpは5人くらい乗ったかな。途中、競技場なし、善通寺3人、高速丸亀なし、坂出3人。バスはwifiあるが足載せなし。直前にきてすぐ発車。四国高速バスはサービス悪い。案内もおざなり。室津14:52-15:02休憩、10分休憩ですというだけで出発時刻をいわない。聞かれても10分ですとだけ、ひどいな。三宮には15:52着で9分延。神戸近くが込んでいた。直前で車がひっくり返って渋滞してたし。ミントですぐにポートライナーへ、15:55に間に合う。空いていてよかった。空港カウンタで折れ曲ったクレカは番号入力で通過。荷物は普通に3点預かってくれる。神戸キッチンで定番のビールとソーセージ。一番搾り生がなんだか甘くてうまくない。今日は汗かいてないせいだな。ビールの味には直前の状況が重要で長期間断酒していたのは関係ないのだ。40分前に中へ。17:25搭乗開始。17:35出発、行きよりは乗っている感じだが75%くらい。機内サービスでコーヒーとキットカットを配付。キットカットは前にももらったが、コーヒーつきは初めてだ。5分早発したのに着いたのは5分遅れ。いつもとは違って笠とリュックは早かったのに杖が出てきたのが最後だった。