別格第1期 2019年5月21日(火)~27日(月)
徳島~別格第1番大山寺~別格第12番延命寺~四国中央 歩行距離117.9 km (累計 117.9 km)
0.出発まで
1.2019年5月21日(火)札幌=神戸=徳島
2.2019年5月22日(水)徳島=板野~別格1番大山寺~別格2番童学寺~府中=徳島
3.2019年5月23日(木)徳島=生名~別格3番慈眼寺~生名=阿南
4.2019年5月24日(金)阿南=鯖瀬~別格4番鯖大師~鯖瀬=須崎~別格5番大善寺~須崎=宇和島
5.2019年5月25日(土)宇和島~別格6番龍光院~宇和島=伊予大洲=別格8番十夜ヶ橋~別格7番出石寺~伊予大洲=松山
6.2019年5月26日(日)松山市=下原町~別格9番文殊院~下原町=松山=壬生川~別格10番西山興隆寺~別格11番生木地蔵~壬生川=伊予西条
7.2019年5月27日(月)伊予西条=伊予土居~別格12番延命寺~伊予土居=伊予三島=三島川之江インター=神戸=札幌
0.出発まで
別格20カ寺を1週間ずつ2回に分けて回るとしてざっと時間配分を考えてみると、12番延命寺あたりが区切りになりそうだとわかる。もう次は香川県という位置なので距離的には前半と後半でかなり差があるが、前半がほぼ一本道でしかも札所間が長いところは交通機関を効率的に利用できるのに対し、後半はコースどりが難しく行ったり来たりでしかも歩きの部分が長くなるのでこういうことになった。
前半12カ寺のうち難所は3番慈眼寺と7番出石寺で、いずれもアプローチを含めると1日がかりになるので、ここを軸として行程を見積もるとほぼ一本道なので、それほど選択肢はなく次のようになる。1番大山寺は不便な山中なので初日は徳島泊で翌日から歩き始めると昼過ぎには2番童学寺を打ち終えてもう1泊。翌日は3番を往復して阿南あたりで泊まると次の日は朝4番鯖大師を打った後、バスと鉄道を乗り継いで長駆須崎にある5番大善寺へ行き、まだ時間があるのでさらに進んで夜宇和島まで到達。翌朝6番龍光院へ寄ってから特急に飛び乗って大洲へ移動し、7番と8番十夜ヶ橋を打ったら夜になるが、先を考えて松山まで移動して1泊。朝、9番文殊院を打ってから壬生川へ移動し、10番西山興隆寺、11番生木地蔵と歩いて西条泊まり。最終日に12番へ寄ってからどこかで三宮行きバスをつかまえて帰宅。4日目の阿南から宇和島まで2カ所札所へ寄りつつ8本の交通機関を乗り継いで四国のはじからはじまで大移動するところと、片道徒歩5時間という最難所7番を往復したうえに8番まで打たなければならない5日目がかなり不安ではあるが、全行程を7日でこなすにはこうならざるをえない。
宿泊地は順に徳島、徳島、阿南、宇和島、松山、西条となりいずれも駅至近が便利なので事前にネットでビジネスホテルを押さえておく。88ヶ所を歩いたときはただ歩くだけなので問題なかったが、今回は前回歩いたところからはずれるところを歩くというスタンスなので、前回歩いた道筋をたどって地図に印をつけ、歩き経路が途切れずにつながるようにコース取りを事前に予習しておく。
1.2019年5月21日(火)札幌=神戸=徳島
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
新千歳,1455,ADO120,1655,神戸
神戸空港,1755,阿波EXP神戸,2033,徳島駅
札幌=神戸=徳島
雨の千歳空港。ADOのチェックインカウンターは空いている。改装されて奥にピーチなどLCCのカウンタできている。荷物預けは4番。笠をどうしますかと聞かれる。いつもはビニル袋かなんかにくるんでもらってます。杖は箱に入れなくてもそのままで大丈夫です。係員よりこちらの方が場数を踏んでいて詳しい。B入口からはいって5番ゲート。14:35に搭乗開始して14:50には戸閉め、満席だ。週末にあった嵐ツアー帰りのおばちゃんが多数。隣席にきたおばさんから荷物上げてもらえますかと声がかかり重いキャリーを荷棚に上げる。滑走路混雑とかで管制官指示により30分延発。バスの時間があるのであまり遅れてほしくないが、なんとか17:15に到着。頼まれた荷物下ろしも手伝う。17:30に荷物回収。いつもより預かり荷物を待つ客が多い。到着階にあるファミマでパンを買って食べる。いつもは二階に上がってポートライナーに乗るが、今日はここからバスなのでそのまま外へ出る。晴れていて夕日がまぶしい。徳島行きの乗車客は10人くらい。意外と多いなとおもってたらほとんどは新神戸までの嵐おばちゃんグループだった。長距離バスなのに新神戸で降車できるんだ。新幹線アクセスを兼ねているのか。ところが運賃箱のところで列が進まない。何をもめているのだろうと思ったら、運賃箱のトラブルのようで運転手が電話で対応を協議している。たいていの客は事前精算済みの乗車票を持っているので問題ないが、現金払いの短距離客がいるのでこういうことになる。らちが開かないまま時間がどんどん経ちどうなることかと思ったがなんとか決着して、発車は遅れて18:08発になった。
徳島行きバス
四国への客はぼく以外に2名。新神戸で8人降りて3人乗り、三宮で10人くらい乗る。ここで8分延くらいになった。舞子で3人乗車。淡路島にはいると少し暗くなる。鳴門公園で1人下車、高速鳴門は下車客いないが停車。松茂でかなり降りる、徳島大学1名。終点まで乗ったのは5人くらい。遅れを少し取り戻して20:36着。すぐにいまや徳島の定宿になったサンルートに「チェックイン。フロントで受付して支払いはチェックイン機でする。ダブルルーム901。部屋でトイレによってから買い出しにすぐ近くのファミマへ。ここはいつもあまり品ぞろえがよくない。もどって11Fの大浴場へ。ここは手ぶらで行けるのがポイント高いが露天がジャグジーに変わっていたのは減点だな。23時頃就寝。
2.2019年5月22日(水)徳島=板野~別格1番大山寺~別格2番童学寺~府中=徳島
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
徳島,706,JR318D,746,板野
板野駅,755,,1001,別格1番大山寺(9.2 km, 2:06),0:33
別格1番,1034,,1410,別格2番童学寺(15.1 km, 3:36),0:31
別格2番,1441,,1552,府中駅(6.1 km, 1:11)
府中,1632,JR4462D,1643,徳島
徳島=板野
よく寝て朝6時に起きる。大山寺へのアクセスはバスかJRか決めていなかったが、天気もいいし7:06のJRで行くことにする。買っておいたパンで朝食。トイレはなし。今日は連泊なので荷物が少なく楽だ。6:50に出発。外は快晴。券売機で間違えて260円板東の切符を買ってしまった。1番霊山寺から始めるなら板東なのだが、今回は別格なので2駅先の板野まで行くのだ。キハ40の2連の板野行きは方向が逆なせいか通学生も少なくて空いている。遍路姿の人もいない。途中小刻みに交換待ちで停車。対向列車は込んでいる。かなりの乗客が板野まで乗り通して到着。委託のおばさん切符を回収しているので、申告して100円を別途支払う。なんか片付かないような顔をしていたから板東で降りそこなって乗り越したと思われたかもしれない。折よく催したきたのでトイレで用をすます。男女兼用でぼっとん式だがペーパーはあった。
板野駅
駅前から歩き始める
板野~別格1番大山寺
身支度して7:55くらいに歩き始める。駅前からすぐに旧街道の交差点に出て左折、ここからは5年前に歩いた道だ。懐かしいようなよく覚えていないような気分、心なしか遍路シールが減った気がする。赤矢印がもっとあちこちにあったような。それに比べて公式のシールは明らかに増えている。分かればいいのだが、手作り感が減ったようで少し残念。前回雨後の草ぼうぼうでパスした大日寺への歩き道もきちんと指示されている。少しは整備されたのかな。4番近くまで来ると森本屋の看板があった。懐かしい、ばあちゃん元気だろうか。
直進して6番方向へ。神宅まできると大山寺分岐の大きな看板がありそこから右折する(A)。ここからが初歩きの道だ。その先でもう一回右折(B)。道なりに高速道路の下へ出てそこをくぐって少し行った先で右手に歩き道が分かれる(C)。果樹畑の中を行くと。右に昔ながらの歩き道表示あるがまっすぐ行ってもその先ですぐ合流する。その後は2回車道を横断し(D,E)、その上で再度車道に出たところで右へ進む(F)。その先にりっぱな休憩所があったので休憩とする。暑い。ここまでの山道はけっこう急でしんどい。
地蔵寺分岐の新しい表示シール
安楽寺方面から大山寺への分岐(A)
二つ目の分岐も右折(B)
高速道路を過ぎて右手の山道へ(C)
歩き道
いったん車道に出る(D)
次の車道横断点(E)
ショートカットを出た先(F)
車道からの遠望
大きな分岐には表示がある
休憩所のすぐ上で左手の山道へはいると、あとはゆるやかなだらだら道で歩きやすい。といって油断していて倒木にまた頭をゴツンとぶつける。何度目だろう、まったく笠の有難みを感じる。その上で車道に出るとすぐに山門だ。やれやれというところだがそこからがまだあって、215段の石段を上って中門、さらに24段でやっと境内にたどりついた。
参拝者が1人。その後に歩きの人がやってくる。2年ぶりのお参り。別格といってもすることは同じだ。すぐに段取りを思い出す。大師堂に参っていると、先ほどの2人の話し声が聞こえてくる。それくらい静か。納経所は1番だからかりっぱで、いろいろなグッズや遍路用品がそろっている。記帳してくれた若い女性がていねいに説明してくれる。ここは四国三十六不動の1番札所でもあるのでそっちの記念スタンプも後ろに捺してくれた。別格二十ヶ所を回り終わってもまだ別のがあるというわけだ。納経料と念珠玉男女2個あわせて900円。なんだか別のシールもあって100円といわれたがそちらはやめておく。
立派な休憩所
最後の歩き道分岐
山道
車道へ出る
大山寺山門
石段の先の中門
本堂
大師堂
別格1番大山寺~別格2番童学寺
来た道を下山して次の童学寺へ。先に出発していた歩きの人を休憩所のところで抜く。ところがその先の車道を短絡する歩道の入口(F地点)を見落として車道を遠回り。合流点でさっきの人とほぼ同時になってしまった。さらに先へ。下界に下りると暑い。元の街道へ出て少し1番方向へもどり、大山谷川を渡らずに旧街道からわかれて南下する。撫養街道を越えて川沿いに南東へずっといくと板野と石井をつなぐ34号線に突き当り右折。あとは往還沿いにずっと南下する。車が多い。歩道が時々途切れていて歩きにくい。吉野川を渡る六条大橋は歩道は両側にあるもののありえない狭さだ。浦戸大橋を思い出す。自転車こいでいる人がいたが軽業のようだ。もちろんすれ違う時は車道に下りなければならない。自転車が来ないようにと祈りながら歩く。街道歩きは暑く疲れる。休みたい。ちょうど時分どきで蕎麦屋の大きな看板があってそそられるが、街道沿いではないようで歩きでは行きようがない。やっと右手にミニストップがあったので小休止。イートインコーナーでハムカツサンドの昼食とする。涼しく極楽のようだ。
そこからさらに192号線へ突き当たるまでがまだまだ遠い。右手に名西高校があって自転車の女子高生が挨拶してくれる。やっと徳島線を渡って192号線を右折。そこからはあと少しだ。童学寺方面への曲り角(G)にローソンがあったので用を足してコーラを買い、飲みながら歩く。地図をみながら右折(H)また左折して左側の墓地に沿っていくとやがてユーモラスな山門が見えてくる。境内は誰もいない。2年前に本堂を全焼する火災にあったのだが、焼けたようすは見当たらない。もう取り壊したのだろう。石段の上のなんとか堂が仮本堂。右手に大師堂。立派な藤棚がありさらに右手に写し霊場が並ぶ。納経所は左手の仮小屋のようなところ。若い女性があっさりと応対。ここも大山寺ほどではないがグッズを売っている。まだ二ヶ所の感想だが、別格のお寺は本格(というのかな88ヶ所)よりも参拝客対応に力を入れているような気がする。マイナーだからがんばってるのだな。しかしお客さんは気の毒なくらいいない。
大山谷川沿いに南下
歩道の狭い六条大橋
192号線からの左折点(G)
次の右折点(H)
顔のような童学寺山門
仮の本堂
大師堂
別格2番童学寺~府中
今日はペースが上がらずここまでキロ14分を越えている。初日で慣れてないのと暑いせいだろうか。早出して正解だった。あとは192号線を東に府中駅まで歩くだけだが、しかしここも車の多い往還歩きで結構しんどい。前回の歩き地点までは歩かねばならないルールなので、石井からJRに乗るわけにはいかず一駅先の府中まで歩く。その一駅が長い。やっと府中の街中にたどり着いたが、駅は見通しの悪い入り組んだ奥でわかりにくく表示も小さい。見落とさないようにマップで確認しながらゆく。前回歩いた道筋に合流するのだが全然記憶がない。こんなとこだったかな。前回といっても5年前だからな。やっと奥まったどんづまりの駅に到着。客が数人待っている。
192号線から府中駅入口
府中駅
16:08発の2連は空いていてボックス席をひとり占め。当然だけど列車は楽だなあ。徳島に着くと折り返し乗車客が多い。下校時間だ。駅横のセブンで夕食他を買い込む。関ジャニなんとかのスピード籤でミックスジュースが当たった。セブンはこういう抽籤よくやっていて、そういえば前回の松山でも韓国海苔が当たったな。ホテルにもどりすぐ大浴場へ。いやあ極楽。もどって洗濯、そしてなによりビール。暑い中を歩いた後のビールがうまい。本格回りは途中完全禁酒だったけど、別格は全部歩く訳ではないし、歩きと歩きの間のつなぎ区間は遍路外という勝手な理屈をつけて禁酒は解除とした(笑)。
3.2019年5月23日(木)徳島=生名~別格3番慈眼寺~生名=阿南
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
徳島,718,JR529D,737,南小松島
南小松島駅,742,徳島バス,810,生名
生名,821,,939,坂本(7.0 km, 1:18),0:05
坂本,944,,1043,別格3番慈眼寺(4.3 km, 0:59),0:57
別格3番,1140,,1243,坂本(4.3 km, 1:03),0:03
坂本,1246,,1420,生名(7.1 km, 1:34)
生名,1501,徳島バス,1530,南小松島駅
南小松島,1550,JR561D,1617,阿南
徳島=生名
5時半にアラームをかけておいたが5:20には起きてしまう。いつものように遍路中の夜は寝つきが悪くあまり寝た感がない。テンションが上がらない。パンを食べてトイレをすませて6:45に出る。こんな時間なのにエレベータが込み合って待たされるが、チェックアウトは自動精算なので速い。徳島駅から今日は手前の2番線の列車に乗る。向こうの4番線には昨日乗った高徳線の列車がが止まっていて、見覚えのある人が乗っている。佐古方面から入線してきた列車は高校生で満員。かなりの人が降りるが降りない人も多い。何とか一人席に座れた。乗っている高校生は二軒屋で少し降り、あとはぼくと同じ南小松島でどっと下車。みんな駅裏の高校に行ってしまい、駅舎向かい側のバス乗り場にいるのは3人くらい。定時にバスが来る。後部席は高校生でほぼ埋まっている。運転席後ろの高い席によじのぼって座る。荷物が邪魔だが視界は悪くない。バスは市街地を抜けて勝浦川沿いに進み、途中の沼江からはかつて歩いた道に合流する。勝浦町中心部の生名には5分遅れて着いた。高校生はまだ乗っている。すぐ先の勝浦高校まで行くのだろう。
南小松島駅
生名の分岐点、今回は右へ
生名~別格3番慈眼寺
生名は20番鶴林寺の登り口。前回は朝立江から歩いてここへ着いた。記憶がよみがえって懐かしい。勝手知ったる消防団建物横のイスで身支度して歩き出す。うっかりGPSのスタートボタンを押し忘れるところだった。今回は街道沿いに坂本方面へ歩く。県道は車が多い。すぐに小松島西高勝浦分校があり、続いて役場や郵便局もある。町はずれの橋で勝浦川の本流を渡った先で右手の旧道にはいり歩きやすくなる(I)。あとは支流の坂本川の沿うこの道に沿って進む。途中与河内でほたるまつりの幟や旗が立っていて要所に仮設トイレも設置されている。この週末なのだろうか。確かにホタルがいそうな川ではあるが、それにしてももうホタルなのか。いったん県道に出てまた旧道へ(J)。坂本の集落は斜面上で道が曲折して交差していて見通しがきかなくわかりにくいが、標識が完備しているので迷うことはない。そういえば大山寺でも見た青矢印のシールはよくみると別格バージョンだと気づいた。しかもHongKongと書いてあるなんなんだ。学校の校舎を利用したふれあいの里さかもとの前を通ってさらに進むと左手に理髪店があってその右手の急坂が慈眼寺への山道入り口だ(K)。標識がちゃんとある。そこの日陰で5分ほど休憩。バスが遅れた分を快調な歩きで取り返した。
勝浦川を渡って右側の旧道へ(I)
別格用青シール(香港製?)
坂本集落への旧道入口(J)
慈眼寺への登り口(K)
慈眼寺まではここから山道を3.3キロほど歩く。斜面にへばりつく道をトラバース気味に越してゆくところが多い。農道に出る手前の明るいところで行く手を1メートル以上もある大きな蛇が横たわっていてびっくり。近づくと鎌首を持ち上げてこちらをみる。マムシではなさそうだがどうやって越えようか一瞬困惑。つつくわけにもいかずそっと近づいてえいっと飛び越えたら、向こうも瞬時に消えた。やれやれ。いったん農道に出てまた山道へ。勾配はそれほどではないが、左側が急傾斜の谷で道が狭くけっこう気をつけて歩かないと滑落しそうな危険なところもあるので注意して歩く。谷あいの湿ったところで遍路橋が何カ所かかかっている。滝が落ちているところもある。薄暗いところで突然バサッと蛇が動いて消えておおっと声を出してしまった。まったくびっくり。途中石敷きのかなり急坂を登り再度車道に出るとあとは車道歩き。ここからが意外と長く感じた。やっと左側が開けた駐車場にでる。坂本から1時間というところか。こんなところに大型バスが2台いてびっくり。下界の景色がよく正面遠くに勝浦川本流の正木ダムが見える。
山門はなくはいったところが大師堂前で右手に納経所がある。3,4人人がいて話している。どうも団体の一員で穴禅定に行った人を待っているらしい。ということは時間のかかる団体が入洞しているので、ぼくはパスすることに。本堂までは左手の道を500mくらいだが急坂と階段の登りで息が切れる。10分上がったところの岩肌に穴禅定入口があって無人の待合所がある。それにくらべて左手の本堂は簡素でちょっと見劣りがする。お参りしてから下の段へ降りて大師堂へお参り。納経は坊さんがゆっくりとていねい。別格は本格?に比べてていねいな印象で好感。
山道
慈眼寺大師堂
大師堂前からの遠望
本堂への登り口
質素な本堂
穴禅定への登り口(右手)
別格3番慈眼寺~生名
穴禅定もなくなったのでゆっくりと休憩。帰りのバスは生名13:26発は間に合わないので急ぐこともない。下りはヒザが痛く、右足横も靴が新しいせいか擦れて痛い。テーピングしてあるので大事には至らないだろう。足的には登りの方が楽だ。もどり道もきちんと標識が完備していて問題ない。坂本の登り口へ降りてきてまた休憩。ここからはまた長い平地歩きかと憂鬱になる。昨日を思い出させる暑い車道歩き。なんとか歩ききって生名に到着した。消防団階段に腰かけて靴脱いでコーラ飲んで休憩する。と、消防団詰所前に若者が5,6人きて何やらビデオカメラを地上に苦心してセッティングしているので、撮りましょうかと声をかける。あ、お願いしますと渡されたカメラを構えていると、なんと振り付き歌のパフォーマンスがはじまりびっくり。なんかのプロモ用ビデオクリップみたいだったがおもしろかった。待っている間に歩き遍路が坂本方向へ歩いて行った。ふれあいの里に泊まるのかな。
生名=阿南
帰りのバスはちょっと遅れてくる。乗っているのは高校生が数人のみ。途中ほとんど乗降なく駅へ。沼江の手前でも歩いている遍路とすれ違う。南小松島駅で20分ほど待って牟岐線の下りに乗る。入場時に委託業務のおねえさんからお気をつけてと声がかかる。春のダイヤ改正で増発された列車は30分ヘッドでここで交換するダイヤ。両方向とも高校生が多数乗降するが徳島方面の方が多い。阿南駅下車。ここも前に二泊したので懐かしい。今回は満室だった阿南プラザインの前を過ぎて踏切の先まで歩き。ファミマで弁当とビールを買ってサンオーシャンにチェックイン。思ったより立派でしかもダブルルームだったので備品が二個ずつあってラッキー。大浴場はタオル完備で手ぶらでOK。汗をかいたのでまた洗濯。
4.2019年5月24日(金)阿南=鯖瀬~別格4番鯖大師~鯖瀬=須崎~別格5番大善寺~須崎=宇和島
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
阿南,623,JR4525D,755,鯖瀬
鯖瀬,757,,800,別格4番鯖大師(0.2 km, 0:03),0:49
別格4番,849,,852,鯖瀬(0.2 km, 0:03)
鯖瀬,859,JR4527D,909,海部
海部,915,阿佐海岸鉄道5527D,926,甲浦
甲浦駅,959,高知東部交通バス,1213,安芸駅
安芸,1235,土佐くろしお鉄道5833D,1332,高知
高知,1349,JR2075D,1427,須崎
須崎駅,1434,,1456,別格5番大善寺(1.7 km, 0:22),0:29
別格5番,1525,,1546,須崎駅(1.7 km, 0:21)
須崎,1625,JR2077D,1650,窪川
窪川,1658,JR4829D,1915,宇和島
阿南=鯖瀬~別格4番鯖大師
昨夜は21時過ぎに寝たのに案の定眠れない。しかも隣のテレビ音がうるさい。なんと0時過ぎてもやっている。信じられない。アラームは5時だが4:40には起きてしまう。アンテナが不調でテレビがほとんど映らない。昨夜は問題なかったのになんなんだ。パン小2個の朝食、トイレはなし。今日はほとんど歩かないのでテーピングやUVケアは省略なので楽だ。5:50にチェックアウト。
阿南駅はほとんど人がいない。前に第二期で乗ったのと同じ下りの始発だが、あのときはもっと高校生とかいたのに。海部行きの単行。高校生が乗っている。ロングシートだと杖の扱いに困るので、ボックス席に1人座っている青年に相席。途中から高校生がぽつぽつ乗ってくるが全然降りる気配がないのが不思議。日和佐でも牟岐でも降りない。どこまで行くのだろう。日和佐では21分も停車するが乗り続けている人も多い。鯖瀬で降りたのはぼく1人。この先の高校というと阿波海南の海部高校くらいしかないのだが、しかし阿南からでも1時間半以上かかっている。おそるべき遠距離通学だ。鯖瀬から4番鯖大師まではすぐ。目の前の街道は前に歩いたところでそのときに鯖大師にも立ち寄っている。駅前に見覚えのある大福屋がある。あのとき泊まることになった海山荘ははまだやっているのだろうか。開かれた境内は無人。見覚えある正面の本堂。すぐ左に並んで小ぶりな大師堂があった。本尊がお大師様なのに別に大師堂があるのは妙だが、こちらは鯖大師という鯖をお祀りしてあった。納経は本堂の横のベルを押してややしばらく待つ。坊主が別棟からやってくる。まあふつう。墨を磨って筆を執る。細かいことだが念珠玉を袋にいれてくれなかったはここだけだ。
別格4番鯖大師~鯖瀬=須崎~別格5番大善寺
次の列車まで時間があるので境内のベンチでゆっくり時間をつぶす。好天の朝で気持ち良い。十二支の守り仏にも手を合わせる。さっきの坊さんがやってきて二言三言言葉を交わす。話してみるとさばけた人だった。
鯖瀬駅へもどり先へ進む。やってきたのは2連で後ろは締め切り。観光客らしい単身男性ばかり数人。海部で向かいのホームの阿佐海岸鉄道にみんな乗り換える。別料金だが降車時には支払わず乗継ぎですと申告するだけ。乗り換えた阿佐鉄の方はワンマンだけど料金箱にカバーがかかっている。駅で精算するのかな、と思っていると甲浦下車時に運転手が手で集めていた。鯖瀬からと整理券と500円を出すとう~んと言って三角運賃表を取り出したので490円ですといったら、あ、じゃあと10円おつりをくれた。鷹揚なものだ。甲浦駅は工事中。高架の先から例のDMVの取り付け路をつくる土台づくりをしている。ホームから降りる階段は短縮され、駅舎というか待合室は仮設のプレハブになっていた。一人者の男ばかり6人全員ここでバスに乗り換える。鉄ちゃんばかりというわけでもなさそうだ。
海部駅から見た純粋トンネル
高架の甲浦駅の先は工事中、左手が仮駅舎
甲浦岸壁始発で定時にきたバスは左窓がすべて埋まる。うまいこと最後部に座れた。ここから安芸まで2時間半という長距離バスだ。途中ほとんど乗降はないが、地元客がときおり長距離乗る。室戸市域は広いので中心部アクセス利用だろう。バスは海岸沿いに延々と歩き続けた懐かしの55号線を行く。あのときと同じ真っ青な海が陽光に輝く。歩いている人がいる。ごくろうさまとしか言えない。うらやましいようなもう二度とごめんなような複雑な心境だ。ロッジ尾崎を通過。若奥さん、ばあちゃん元気かな。室戸はバスでも遠い。よく歩いたよ。岬で何人か下ろして室戸市内にはいり高校まで行って折り返し室戸営業所で休憩。運転手が、5000円札の両替の方いませんか、甲浦からのお客さんトイレ大丈夫ですかと聞く。なるほどトイレ休憩を兼ねているのだ。声がないとすぐに発車する。そこから奈半利を過ぎ安芸まで、延々と歩いた道を懐かしみながら進みやっと土佐くろしお鉄道の安芸駅に到着。ここで降りる。
ぢばさん市場というマーケットが併設された立派な建物だが駅部分は小さい。窓口でJR区間通算の乗車券が買えたので高知から特急で須崎まで購入。高知行きの快速は同じホームで到着列車を切り離したのか後ろ側は奈半利行きだった。大きな窓のロマンスシートに着席。空いていて快適だ。海側は夏のような陽光がまぶしい。高知に近づくと高校生が乗ってくる。もう下校時間なのか。高知は懐かしくここで降りて一晩泊まりたいくらいだが、先が詰まっているので残念。高知からは特急あしずり2連。始発なので運転所から回送されてくる編成になんなく座れる。接続の岡山からくる南風がついたらベンチシートはほぼ埋まった。
安芸で買ったJR直通券
須崎駅
以前歩いた街道までいったん出る、右手が安和方面
須崎はすぐで、いなかの地方駅という風情。駅周辺は中心を外れているのでのどかだ。5番大善寺への行き帰りにはコンビニすら見かけなかった。午後の日が照り付けるので笠をかぶって歩き出す。以前歩いた街道までいったん出る。もっと大きな道だった気がする。ちょうど早朝にくぐったトンネルの手前の位置だ。そこから5番へ折り返すとすぐ着いた。狭い丘にくしゃっと押し込んだようなところだ。隣の有善会館という3階建てビルの上にちらっとモノレールの線路がみえる。その先を曲がると入口で階段上がってすぐ大師堂。横手の階段を曲がり上ると狭い上段に本堂があるがどうにもしょぼい感じ。右手にモノレールの線路が突き出していて簡素な乗場があるが屋根も案内すらない。下に搬器が見えるが営業しているのだろうか。本堂にお参り。事前調査では本尊は大師様となっていたが、一応別に本尊があるようで真言が表示されていた。降りて大師堂にお参り、元の角を曲がって有善会館にはいると狭い廊下の突き当り右が納経所で左がエレベータ。これで屋上に上がるとモノレールがあるというしかけだ。モノレールの改修基金を募っていた。坊さんはふつうで、愛想はないけど筆はいい。
大善寺大師堂
境内案内図
本堂の段にあるモノレール乗場、下に搬器
本堂
本堂前からの遠望
有善会館ビル、屋上右にモノレールがみえる
別格5番大善寺~須崎=宇和島
もとの道を駅へ戻る。窓口で宇和島まで購入。小休止。やってきた特急あしずりはほぼシートがうまっていたが、運よく半車指定車のドア横が空いていて座れた。ラッキーだった。窪川はすぐで、橋を渡って予土線のキハ31単行に乗り換える。乗り換えは他に夫婦連れ観光客1組など5人くらい。しかし観光路線で売り出しているのに途中交換した対向列車もみなキハ31とは恐れ入る。2時間もかかるのにオールロングシートでトイレなしではなあ。予土線に乗るのはたぶん2回目だが全然記憶にない。最前部のロングシート端に座れたので一応前方展望を楽しめる。川に沿って延々とローカル線風情を堪能でき、首が痛くなったが退屈はしない。ワンマン運転の運転手は通し乗務で大変そうだ。途中の江川崎で停車時間にトイレをご利用くださいの案内。近永で高校生がどっと乗ってきて、伊予宮野下でも少し乗る。北宇和島でかなり降りる。宇和島に到着、まだ薄明るい。ホテルは駅舎建物内だが一回外へ出て右手からはいりなおす。フロントは2Fでエレベータで直接1Fへ出られるのは便利。チェックインしてすぐ買い物に出る。駅内のセブンはいまいちだったので向かい側のローソンへ。
5.2019年5月25日(土)宇和島~別格6番龍光院~宇和島=伊予大洲=別格8番十夜ヶ橋~別格7番出石寺~伊予大洲=松山
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
宇和島駅,645,,649,別格6番龍光院(0.3 km, 0:04),0:19
別格6番,708,,711,宇和島駅(0.2 km, 0:03)
宇和島,738,JR1056D,825,伊予大洲
伊予大洲駅,830,タクシー,840,別格8番十夜ヶ橋
別格8番,901,,1001,大洲阿蔵(5.2 km, 1:00)
大洲阿蔵,1001,,1247,別格7番出石寺(10.5 km, 2:46),0:33
別格7番,1320,,1539,大洲阿蔵(10.1 km, 2:19)
大洲阿蔵,1539,,1619,伊予大洲駅(3.4 km, 0:40)
伊予大洲,1647,JR1072D,1727,松山
宇和島~別格6番龍光院~宇和島
相変わらず眠りは浅く頻繁に目が覚めだけどなんとか寝てはいるようだ。例によってアラームより早く5:20に起きる。今日は朝の段取りが重要だ。パン2個食べて珍しくトイレもしっかりすませる。これはよい。6:45にいったん外出。駅で伊予大洲までの切符を買ってからローソンでお金を下ろして至近距離の6番龍光院へ。駅前を歩いてすぐだ。山門がないので開けている。正面の階段を上がると広い境内は無人で一番乗り。朝日がまぶしい。お参りをして納経所で7:05くらいにインタホン押すと若い奥さんが出てきた。朝7時からの納経時間にこんなにぎりぎりに早くきたのは57番栄福寺くらいだ。すぐにホテルへもどって荷物をもってチェックアウトする。
宇和島=伊予大洲=別格8番十夜ヶ橋
余裕で7:38の特急に間に合った。20分前に入線していて乗れる。発車時はまだ空いていたが途中少しずつ乗ってきてちょうどベンチが埋まるくらいに大洲で下車。ここから前夜考えていたようにちょっと予定を変更する。当初案では最初に7番出石寺へ上って下りてから8番十夜ヶ橋まで歩き、駅へもどる予定だったが、8番は駅から微妙な距離があり、山登りの後に疲れてから往復するのはしんどいので、ひっくり返して朝8番へ行ってから7番に上ることにした。それなら8番はすでに歩いた途上にあるので駅から歩く必要はなく、時間短縮の意味でタクシーを使うことにした。駅前で客待ちのタクシーに乗って8番へ向かう。お遍路でタクシーに乗るのは初めてのことで、なんて楽なんだろうと感動した。着いてみると8番は昨年7月の水害で本堂が取り壊されて更地になっていてびっくり。大師堂はちゃんと残っているのに。水害うんぬんの貼り紙がしてある。寺務所納経所は大師堂裏に仮設されていた。お参りして納経。ボタンを押すと若奥さんがかけつける。ここと椿堂で押しているという令和記念スタンプをどこに押しますかときかれ。どこでもいいですと前の扉裏に捺してもらった。その後橋の下の寝像で本堂の分のお参りをする。
十夜ヶ橋大師堂
まっさらな本堂跡地
別格8番十夜ヶ橋~別格7番出石寺
対岸に上がってここから新規の別格歩き区間のスタート。56号線を少しもどり、途中から右にそれて予讃線を渡り肱川の堤防を歩く。広々として快適だ。正面の山の向こう側の山頂に7番はある。長大な五郎大橋で肱川を渡って対岸を歩き、JRの下をくぐって交差点を右折(L)、その先の三差路(M)を左にとってJR線を再度くぐり、次の分岐(N)は直進して住宅地へ。何軒かある住宅のカーポートの間(O)が出石寺への登り口だ。ここはわかりにくいとネット情報でも要注意のところだったが、よくみると入口に矢印の紙が貼ってあった。写真を撮っていると後ろから車がきて止まり、出石寺行かれるんですかとおやじから声がかかった。あそこの車が4台止まっている横が登り口です、あの向こうにガードレールが見えますか、あそこの横へ出るんです、道はちょっと荒れてますけどね、と懇切丁寧な案内をいただいた。だいたい事前調査で知っていることだったけれど、再確認できてよかった。親切な人だ。車は登り口左の民家に止まったからここの人だったのだ。いやお大師様の化身だったやもしれぬ。
肱川堤防の道、正面の山のさらに奥が出石寺山
肱川左岸の道からの右折点(L)
その先の三差路(M)、ここは左へ
次の分岐(N)、ここは直進
登り口(O)、カーポートの先を右へ
そこからはじまる歩き道は、草被りと落枝で多少歩きにくいが道を失うほどではなく、荒れているといってもこれくらいならしっかり足ごしらえさえしていれば大したことない。と思っていたら、進んでいくと竹林にはいり竹が道に覆いかぶさるように何本も倒れている。くぐったりまたぎ越えたりと歩きにくい。リュックがひっかかってペットボトルが落ちた。気が付いたのでよかったもののこの先山頂まで水場はないのでここで水を失うと生死にかかわる。危ないところだった。そこを越えるとじきに左手に建物がみえて車道に出た(P)。そこから少し車道を歩く。途中ショートカットがありそうだが通行止めになっている。遍路地図どおりに車道を迂回してH190地点に到達(Q)。ここは標識がないが事前調査通りに左手の草むらに埋もれている手すりを見つけてその斜め道を上る。ジグザグにのぼって上の段へ(R)。そのすぐ先のショートカットは通行止標識があって通れないので車道を迂回して次に最後のショートカットへ。やはり手すりのある斜め道の入口(S)が草がかぶって歩きにくい。エノコログサみたいな実がたくさん靴と靴下にくっついて始末に悪い。しかも草をかき分けたので短パンの足がかぶれて腫れて痒くなってきた。そこから上の段に出たところがカーブミラーのあるH230地点(T)。わかりにくいところはここまででここからはずっと車道歩きになる。やれやれと少し休憩する。ここまでがちょっと不安だったがクリアしたのであとは大丈夫だろう。
最初は歩きやすそうな山道
次第に荒れてくる
行く手を阻む倒竹
なんとか車道に出る(P)
ショートカット入口(Q)、中央に手すりがみえる
ショートカット出口(R)
最後のショートカット入口(S)
車道へ出た地点(T)を逆にみる
その少し先にちゃんとした休憩所があった。高山東あたりに民家が少しあるがあとはずっと山の中の林道歩き。時折左手に大洲方面の展望が開けるが基本的には樹林の中なので日がさえぎられてあまり暑さは感じず助かる。勾配もそれほどでなく距離はあるが歩きやすくはかどる。途中何カ所かある分岐も最低限の表示があって迷うこともない。このへんは別格の青矢印はなくてふつうの赤い表示だ。一部大雨で路肩が崩れているところがあったが通行には支障ない。快適な簡易舗装道路だがまったくといっていいほど車はこない。と前方に駐車している車があり追い越して歩いていると後ろからきて止まった。おやじが顔出して、いやあ早いですねと。ん、一瞬登り口のおやじかと思ったがそうではなく別の人だ。下の方で見られていたらしい。双眼鏡をもってバードウォッチングしている人だった。別格だけ回っていますと説明したが、あまり遍路のことは知らないようだった。長い車道歩きで疲れてきたころだったので、いい気分転換にはなった。これもお大師様かな。平野から登ってくる道と合流した先がサミットでそこからは少し下りになる。こんなに下っていいのかなと不安になったところで県道分岐に出て正面に歩き道が続いている。そこで少し休憩。ここからは3キロの表示だ。ガサガサっと音がしてびっくりしたが犬が山道を横切っていなくなった。イノシシならいやだな。野犬も怖いけど。ここからは土道になるが急坂はほとんどなく歩きやすい快適な道。途中林道を横切ったり一部歩いたりするが、標識があるので大丈夫。慈眼寺の登りよりずっと歩きやすい。そんなこんなで8番から3時間半ちょっとで7番に到着。ぽっと出たところが駐車場からの道で大師像と馬の像の横。そこから階段を上った山門に鐘があり思い切りゴーンと撞く。その先が開けた境内でもう一段上ったところに大師堂と本堂という配置。
休憩所
車道歩き、分岐には標識がある
次第に山に分け入る
途中の路肩崩壊地点
県道分岐(U)、正面の土道へ
最後の土道
寺域が見えてくる
出てきた地点、帰りは右手へ下る
とりあえず山門横のベンチに荷物をおいて休憩し、コーラを買って飲む。やれやれ着いた着いた。土曜日だからかぽつりぽつりと人が来る。もちろん歩きの人はいない。納経所で下りの車道を尋ねていたおやじが通りがかり、こんにちはというと、歩きですか、まだ若いから休暇とって大変でしょうとか、立ち止まってひとしきりおしゃべり。もう定年ですよというと、定年過ぎるとやることなくて困るでしょ、自分はいま69才で67才で仕事をやめた、車で回っている、別格の念珠は男女用のほかに最近兼用のが新しくできてまったく商魂たくましい、日本100名城というのがあって99まわった、あと北海道の根室だかにあるのは遠くて、とかいろいろと談笑。楽しい人だ。汗が引いたので上段へいってお参り。まさに山頂で遠景がきれい。下りて納経所へ。ここも若奥さん。札幌からというと、今ごろはあの紫色の花なんでしたっけ、ライラックですか、ああそれそれきれいでしょう、とか少し世間話、こういうのも珍しい。人里を遠く離れた不便な山の上だがここはいいところだな。来てよかったとしみじみ思う。小パン3個で昼食とし、ペットのお茶を飲み切ったので自販で補充する。
出石寺入口
山門
本堂
本堂段から下段をみる
大師堂
境内から大洲方面遠望
入口の大師像
別格7番出石寺~伊予大洲=松山
さてのんびりしていても十分16:47の特急には間に合いそうだ。朝のタクシーが効いているな。足もまだ大丈夫。あとは来た道をもどるだけ。県道分岐までの土道は歩きやすく楽勝。そこからの長い車道歩きも同じ。上りに見た休憩所で休憩。蛇口があってちゃんと水が出た。カーブミラーのH230地点ショートカット入口が下りにさがすと似たような個所があってちょっと迷う。こんなに先だったかなと不安になり。行きに撮った写真を見直してへんろ道保存会の標識があるのを確認して、じきに発見した。こんなときは撮っておいた写真が役に立つ。あとはショートカットを経由してまた倒竹を乗り越えて問題なく下界へ。しかし下山してから大洲駅までの3キロが暑くて長かった。まったく8番を朝に済ませておいてよかった。5月だというのこの日の大洲は15時半に34.5 ℃あったらしい。ちょうどこのへんを歩いている時だ。以前歩いた行程と結ぶためにいったん56号線ま出てから駅へ向かう。駅についてまたコーラを飲む。外のベンチで小休止。
国道分岐まで遠回り
伊予大洲駅到着
松山行きの特急宇和海はベンチシートが全部埋まっていたが、車端のおっさんが座席の荷物を荷棚に上げてくれたので座れた。こわもて風だったけどこういうのは見かけによらない。涼しい顔で荷物おいている一見きちんとした人が多いのに。40分で松山へ。この駅前も懐かしい。勝手知ったるターミナルホテルにチェックイン。ここもまたダブルルームだがそれにしちゃベッドの狭いこと。荷物を整理してすぐに駅前の喜助の湯へ。前回よりは空いている感じ。はしっこの洗い場があいていたので使っていたらよくみたら優先席でびっくり。風呂にそんなんあるのか。帰りにセブンで弁当とビール。難所を無事に打ち終えて祝杯する。めでたい。
6.2019年5月26日(日)松山市=下原町~別格9番文殊院~下原町=松山=壬生川~別格10番西山興隆寺~別格11番生木地蔵~壬生川=伊予西条
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
松山駅,633,,648,松山市駅(1.2 km, 0:15)
松山市駅,655,伊予鉄バス,727,下原町
下原町,731,,806,別格9番文殊院(2.8 km, 0:35),0:23
別格9番,829,,902,下原町(2.6 km, 0:33)
下原町,914,伊予鉄バス,949,市役所前
市役所前,955,,1010,松山駅(1.3 km, 0:15)
松山,1021,JR14M,1112,壬生川
壬生川駅,1118,,1258,別格10番西山興隆寺(7.8 km, 1:40),0:29
別格10番,1327,,1410,別格11番生木地蔵(3.5 km, 0:43),0:19
別格11番,1429,,1533,壬生川駅(5.2 km, 1:04)
壬生川,1556,JR534M,1613,伊予西条
松山市=下原町~別格9番文殊院
相変わらずほとんど寝られた気がしない。アラームは5時半だが5:15に起きる。パンを食べてトイレへ行って6:25にチェックアウト。まずJR松山駅で壬生川までの切符を買う。それから歩いて伊予鉄道の松山市駅へ。松山はこういうところが不便だ。途中で便意をもよおし市駅の改札で場所を聞いて地下のトイレへ直行。和式しか空いていなかったが用は足りた。上がって駅前のバス停へ。ちょうどバスが来たところだった。余裕時分があまりなかったので間に合ってよかった。日曜の朝なのでバスは空いている。途中から乗ってきたハイキング遍路ふう2人連れが森松で降りた。46番浄瑠璃寺方面へ乗り換えるのだろう。森松はこのへんの主要停留所で、ぼくもここで乗り換えてもいいのだが、歩いても大した距離ではないので予定通り下原町まで行って下車。地図で確かめた道を別格9番文殊院へ向かう。大きな運動公園の横を通り、20分ほどで狭い道の門前に到着したが、前回の歩き道はそのちょっと先で曲がっているのでそ曲り角まで歩いて環をつなぐ。こんな小さい横道の角を曲がったかな、全然記憶がない。47番八坂寺の方から歩いてくる遍路におはようございますとあいさつ。そのあともう一人歩き遍路がきたけれどいずれも文殊院は素通りしてしまった。人気のない狭い境内で本堂と大師堂にお参り。その後車遍路がお参りにきた。納経所は蓄髪のおやじが型どおり。
下原町バス停、ここから歩く
以前歩いた分岐点、正面が八坂寺方面
文殊院入口
本堂
大師堂
大師像
別格9番文殊院~下原町=松山=壬生川
また分岐へいったん戻ってから元の道を戻る。バス通りの信号までくるとちょうどバスが来た。あれれ、乗りたいけれどバス停はちょっと先なので間に合わない。残念ながら逃してバス停に着いてみると8:59というバスがそれだった。ここは15分間隔でバスがあるが8:59は抜けていて、9:14に乗るつもりでゆっくり歩いてきたのだ。実際は8:59は休日だけ運転される便だった。今日は日曜日。下調べのときは平日ダイヤを見ていたので見落としていた。15分早く松山駅へ行けたのに。しかもバス停でほぼ15分待ち。こういう待ち時間は意外と長い。来たバスは意外と空いていてなんなく座れた。途中から市内へ向かう客がどんどん乗ってくるが、大街道界隈までにほとんど降りてしまう。途中で後ろの席からおばちゃんがやってきて、お遍路されているのですか、はい、主人が病気していて、私もお参りしたいのですが回れないので、お接待します、お茶でも飲んでください、と300円くれた。ありがとうございます。今回最初で最後のお接待。しかもバスの中。びっくりした。前のバスに乗り遅れてよかったのかもしれないな。次の札所でお賽銭上げてお祈りすることにしよう。市役所前は5分遅れて下車。JR駅まで歩く。乗る予定の岡山・高松行き特急の発車10分前くらいに着くとちょうど折り返し列車の清掃が終わって乗車が始まったところだった。自由席は4両あり、高松行きいしづち編成の方が空いていてらくに座れた。途中大西までの海岸線は2年前に歩いた道でありありと記憶がよみがえる。齋灘、菊間の瓦、迫力の太陽石油、みんな懐かしい。大西で交換待ちして、あっという間に今治。そしてすぐに壬生川で下車。
壬生川駅
壬生川~別格10番西山興隆寺
壬生川駅は前にトイレを借りに寄ったところ。今回もトイレに寄ってから歩き出す。エレベータ付きの立派な歩道橋で駅の山側へ渡る。そこから街道へ出るとあとはずっと車の多い道を南下。ドラッグストアなど郊外型大型店がずらりと並ぶ。歩道は完備しているが歩いて楽しい道ではない。今日は薄曇りでそう暑くはないが、時折日が差すので笠はかぶる。意外とペースが上がらない。昨日の今日で足が疲れている感じ。周桑なんとかという店や会社が多い。このへんは周桑地区というらしい。やっとついた角のミニストップでお茶を買う。右折して少し行った川沿いの小道を左折。あとは道なりに歩いて最後の急坂をのぼると街道分岐に出る。ここが別格10番西山興隆寺入口だ。そこからがまだ長い。日が出て暑い。だらだらと車道をのぼり墓地を抜けた先にやっと駐車場。その先の左手にみゆるぎの橋という赤い橋がかかって歩道が続いている。そこから石段がうねうねとかなり続いてやっとのことで境内に出る。さすがにベンチにへたり込む。まずはキリンレモンを買って飲んで汗をぬぐう。車客が何組かきている。山の上という感じでまあまあの規模だ。右手に本堂、正面はなんかのお堂で左手に大師堂がある。本堂の横の方の納経所はおばさん。令和スタンプあるので自分で押してくださいというので、適当に押す。このあたりキロ12分計算だったがそんなには歩けず時間が押していたので、パンを1個食べてそそくさと出る。
西山興隆寺入口の橋
長い石段の先の山門
本堂
大師堂
別格10番西山興隆寺~別格11番生木地蔵
途中までもどって標識を丹原運動公園の方へ右折すればあとは別格11番生木地蔵までまっすぐ歩くだけ。しかし暑い。日陰がないので辛い。風が吹くと生き返る。11番は神社の隣にこじんまりとしている。名前の由来の大きな枯れ木が鎮座している。その真ん前にベンチがあり、恐れ多いがここしかないので荷物を置く。本堂のすぐ右に大師堂が横向いているが灯明香炉は共通のようだ。横の小さい納経所でおばさんが記帳。その間バイクの人が一人きて去ったのみ。
西山興隆寺からの下り道
生木地蔵境内
本堂
大師堂
御本尊の生木
別格11番生木地蔵~壬生川=伊予西条
あとは元の街道を壬生川駅までえんえんともどる。暑い。疲れた。山道の方がラクかなあこれじゃ。平地の車の多い往還はアスファルトが暑い。やっとのことで壬生川駅へ。駅で少し待って伊予西条行きの単行DCに乗る。ロングシートの前端に座ってやれやれ。勝手知ったる伊予西条に到着。すぐのローソンで買い出しして前回泊まったエクストールインへ。16:30には大浴場にはいれる。無人。いつもながら極楽だ。あとはのんびり。
7.2019年5月27日(月)伊予西条=伊予土居~別格12番延命寺~伊予土居=伊予三島=三島川之江インター=神戸=札幌
コースタイム
出発地,出発時刻,便名,到着時刻,到着地(歩行距離, 所要時間),滞在時間
伊予西条,847,JR128M,916,伊予土居
伊予土居駅,917,,929,別格12番延命寺(0.9 km, 0:12),0:22
別格12番,951,,1003,伊予土居駅(0.9 km, 0:12)
伊予土居,1020,JR4130M,1033,伊予三島
伊予三島駅,1034,,1117,イオン川之江(3.3 km, 0:43)
イオン川之江,1155,,1206,三島川之江インター(0.8 km, 0:11)
三島川之江インター,1219,松山EXP,1550,三宮
三宮,1555,ポートライナー,1613,神戸空港
神戸,1750,ADO121,1930,新千歳
伊予西条=伊予土居~別格12番延命寺
今朝はゆっくりだが眠りは浅く5:55には起床。6:45に一階朝食会場に下りたらもう数人食べ始めている。広さは十分で席には余裕がある。品数は少ないがまあまあ。特筆すべきはパンがおいしいことだ。ぼくにはこれが一番。もどって支度して8:35に出発。伊予西条駅で550円の切符を買って改札を通ると、駅員が伊予土居ですかこの電車ですと手前のホームを指す。550円で伊予土居を見切るとはお遍路慣れしているな。別格に寄る人は少ないだろうに。西条始発の上り電車は2連で後ろは締め切り。四国はこのパターンが多く、2連でワンマンのときは後ろは締め切ることになっているらしい。空いている。前回下りた鳥居のある中萩を通過。伊予土居駅は島式ホームの交換駅だが小さくて券売機もない。駅前からすぐに旧街道へ出て右折。しばらく歩いて右手に別格12番延命寺がある。なんと角に大きないざり松が鎮座している。前回これが目につかなかったのか。境内は割烹着きたおばさんがうろうろ。寺の人か近所の人か。愛想がない。他は無人。正面に本堂。左手が大師堂で中へ入って左へ回り込むとお大師様で屋内に灯明と香炉もある。その左が納経所。こういう屋内配置は他にもあったが、人のいたりする屋内での読経は落ち着かない。幸い納経所が無人だったので事なくお参り。ベルを押すとおばさんがくる。午後から雨になるらしいですねとか会話。
伊予土居駅
駅前からすぐ前回歩いた往還に突き当たる
延命寺入口
本堂
大師堂
いざり松
別格12番延命寺~伊予土居=伊予三島=三島川之江インター
時間があるのでのんびり駅へ戻る。駅舎内まで自転車乗り入れる人がいて?と思ってたら、後からの輪行バッグかついでホームに上がってきた。あっという間に折りたたんだのだ。先ほどと同様の2連に乗って伊予三島へ。伊予三島は橋上駅で、整理券を出して伊予土居からといって260円を払う。北口は裏口で出ても何もない。直進して突き当りを左へ。道なりに行くと大きなイオンショッピングセンターへ出るはずだが斜めに交差する大きな交差点などがあり、マップで確認しながら歩く。やがて前回泊まったスーパーホテル、次いでイオンが見えてくる。懐かしい。空いているイオンにはいると、はいってすぐに恰好なソファがあり、そこに荷物をおいて拠点とする。店内をまわるとサービスカウンターにいくつか土産菓子があったので小さな饅頭を買う。遍路姿はここで終了なので杖と笠を梱包し、トイレで着替える。ここからバス停まではわかりやすいが大きな交差点がありちょっと時間がかかる。三島川之江インターのバス停は待合小屋のみと簡素。先客が3人いて、1人は先着した徳島発松山行きに乗っていった。ここは交通の要衝なのでどっち方面も乗れるのだ。
伊予三島駅北口
三島川之江インターバス停
三島川之江インター=神戸=札幌
三宮方面のバスは少し遅れてきた。3人乗車して5分延発。今回は中途半端な2A席で、隣の2Bに人がいるのでカーテンを閉めると見晴らしがよくない。すぐに吉野川SAとなり12:50-13:00休憩。発車時の人数確認はなし。プライベートカーテン装着車なので確認できないということらしい。なるほどそういうことか。ただしちゃんと発車時刻は通知していた。当然だ。ここはバス停があって2人乗車してきて1ABがうまった。湾岸線一部工事通行止めのため北神戸迂回予定で遅れるかもしれないとのこと。脇町と土成でも高速をいったん降りてバス停へ。ただし客はなし。室津PAで14:42-14:52休憩。鳴門~明石は強風、風でバスが揺れる。舞子で2人下車。北神戸線へ。湊川~京橋通行止め表示があった。谷上からの長大トンネル出口から2号線までが渋滞。けっきょく15分遅れで三宮に到着。すぐにポートライナー乗り場へ。15:55のに乗って空港へ。チェックイン時の荷物預けは詳しく聞かれてこちらが梱包等のやり方を教える。そのうえ壊れても文句言わないサインを書かされる。それからX線検査へ。順序が逆なような。二階の神戸キッチンでオムライスハンバーグセットとビール。まあまあ。帰りのADOは定時。空席がある。千歳には10分早着だった。