四国歩き遍路紀行2(別格篇)
目 次
第1期 2019年5月21日(火)~27日(月)徳島~別格第1番大山寺~別格第12番延命寺~四国中央 117.9 km (累計117.9 km)
第2期 2019年10月24日(木)~30日(水)四国中央~別格第13番仙龍寺~別格第20番大滝寺~高松 135.3 km (累計253.2 km)
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はしがき
四国遍路特に歩き遍路には習慣性がある、一度始めたらまたやりたくなりやめられなくなる、とはよくいわれることだ。実際、何度も回っている人の話やブログ記事も多い。ぼくの場合も、区切り打ちも7回目になって瀬戸内側へ回ったあたりで、ああもうじき終わってしまうんだなという感慨が湧き、名残惜しいような気になった。ただ、その次の最終回では台風の直撃で歩くのが精一杯だったこともあり、慌ただしく結願を迎えてしまったというのが正直なところで、88番での結願時もその後の1番での満願時もそれほど大きな欠落感は感じなかった。終わった翌2018年はちょうど定年退職の年で生活が変わってバタバタしたこともあり、前年まで4年間毎年春秋に四国に出かけていたのがなくなったこともほとんど気にならなかった。退職で時間は有り余るほどできたので、記録を読み返したりしてまた歩くかなあとぼんやり考えないでもなかったが、いやあまたあの道を延々と歩くのかあと思うと、あまり気乗りもしない。そんなわけでぼくにとっての四国遍路は卒業したつもりにほぼなっていた。
だがしかし。心のどこかに隙間があったのだろう。さらに翌2019年になって、そういえば別格20ヶ所というのがあるよなと気になりだした。歴史的な経緯をもつ四国88ヶ所霊場とは別に、1968年になって番外霊場のうち20の寺が結束して別格20霊場を組織したものだ。知恵者がいたとみえ、88+20=108となり全部回れば煩悩が滅去できると勧奨し、加えて各寺で1個ずつ念珠玉を頒布し、全部集めて一連の念珠に仕立てれば幸せが授かるとのインセンティブも導入している。88ヶ所また同じところを回るのは芸がないが、新たに違う寺を巡るのは新鮮だ。88ヶ所全部歩くとまた40日近くかかるが、20ヶ所なら短くて楽だろう。もちろん20ヶ所といっても四国4県に散らばっているので全部歩けば同じくらいかかってしまうのだが、さすがにそれは非効率なので、一度歩いた道は歩かないで交通機関を使うことにして、新たに必要なところだけ歩けば10日くらいで歩けそうだ。という仕儀でまた四国を歩くことになった。
なんだかんだ理由をつけているが、とどのつまりお遍路歩きの魅力にあらがえなかったということなのだろう。恐るべし四国遍路。というわけで88ヶ所についで別格20ヶ所を2回に分けて歩いた記録がこれだ(ただし上記のように88ヶ所歩いて閉じた環と重複する部分は省略)。